第1章

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「イル先輩でしたか? クッキーはいりますか?」 「本当! ……びくっ」  エルフィンの声に振り返るイルだが、すぐに警戒するようにレイクの後ろに隠れてしまった。 「イル?」  不思議そうに問いかけるレイクに、イルは黙って隠れたままだ。  困ったように苦笑してから、レイクがそれじゃあまたと声をかけて、イルを連れて行ってしまう。  後に残されたエルフィンは手の中のクッキーを見つめて、 「僕、初対面であんな対応をされたのは初めてです」  「……予知が怖いのかも」 「どういう事ですか?」 「イル先輩は、精霊と仲良しだから」
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