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「その点は大丈夫です。我々四人は平等に魔王様を分け合う事にしましたから」
「なんだと? それはどういう意味だ?」
「四人で魔王様を“可愛がる”という意味でございます」
魔王は四人を相手にと考えて、血相を変えた。
「む、無理だそんな……」
「いえ、大丈夫なよう我々も精一杯お手伝いさせて頂きます」
「それに、複数人を相手にすることにことに不安があるようでしたら、調教用の触手の魔物が地下におりますのでそちらをまず試されるのも良いかと」
「……待て、そんな魔物の話は我も知らないぞ?」
「先代魔王の遺産でございます」
きっぱりと部下が言うのは良いとして、なぜその事を魔王である自分に報告しなかったのか。
恐ろしい考えがふつふつと湧いてくるのを感じて、魔王は考えるのを止めた。
それにこれまでの問答から考えて、四天王は聞く耳を全く持たない。
ゆらりと四人が魔王に向かって手を伸ばす。
このままでは自分の貞操が危ない、と魔王は結論に達し慌てて逃げ出した。その時マントは掴まれたので取り外し、必死で逃げた。
城の中にいるのも危ない。
仕方が無いので先祖代々伝わる隠し通路を使い、外に逃げ出し、魔族用の転送陣を幾つか使って逃げたはいいが……。
「これからどうすればよいのだ」
着の身着のまま出てきてしまった。お供もいない。しかも、今は村人Aレベルの力しかない。正直言うと、Lv、0である。
いつ、人間側から、下手をすると同胞から攻撃される可能性すらもある。
そこまで考えて、やはり城の中に戻ろうか、いや、だが城に戻れば我の貞操が……と魔王は頭を抱える。
命の危険を考えると戻るが正解だが、戻れば下手をすると触手責めだ。
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