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両手で顔の前を払う光輝と銀二はやっと息を吐き出す。どうやら息をとめていたようだ。 「ガキの頃からの腐れ縁だ」 立ちあがった大虎は2人を見下ろしてそう言うと、さっさと倉庫を後にした。 「ほんと、何考えてんのか分かんねーヤツ」 銀が倉庫の窓から去って行く大虎の後ろ姿をじっと見た。 「んー、でもさ、」 ライトは宙を見るようにすると表情を柔らかく崩す。 「今日はきっと、俺が総長継いだから、来てくれたんだと思うんだよね」 「……へぇ」 「トラちゃん、すげー頭いいし、ケンカも強ぇし、かっこいいだろ?」 「……まぁ、カッコイイとは思ってたけどよ」 「へへっ」 光輝は大虎を思いだすようにして笑い、 「俺が、トラちゃんの事、好きなんだよね」 へらっと笑顔を銀二へ向けた。 「…………っ、」 「って、うわっ!ちょ、銀ちゃん、何赤くなってんだよ!」 「え!?あ、いや!!大丈夫だ!誰にも言わねー!!!」 「いやいやいや!!違うから!!そう言う意味じゃねーって!」 「心配すんな!!隠し通す覚悟もある!!」 光輝が大げさに両手を振り、銀二を漸く落ち着かせると真剣な目を向ける。 「人として、一緒に居たいヤツなんだ」
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