俺、狙われてます

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『息子に見られて感じるか、祐実』 『ブラッディ…ああ…』 激しい愛撫に祐実は気を失い眠りについた。 『男同士のセックスを見るのは初めてかい』 『当たり前だろ』 振り返った歩は目の前に立っているブラッディに驚いた。 『コウとこういうことはしなかったのかい』 ブラッディは歩の唇にキスをした。 歩はブラッディを突き飛ばし『誰にでもこんなことをするのかよ』と言って睨んだ。 『コウが惚れるのがわかるよ』 ブラッディは笑みを浮かべ歩に近づいた。 『……』 『しばらくの間、ここにいてもらうよ』 ブラッディは歩を殴り気絶させた。 歩はふらつき床に倒れた。 『ココ…』 『はい、お呼びでしょうか』 ココは一瞬で姿を現した。 『コウに邪魔をされて最後まで抱けなかったんだろ、可愛がってやれ』 『ブラッディ様…』 『祐実のことは俺に任せておけ』 『はい…』 ココは歩を抱きかかえたままその場から消え部屋に移動した。 ココはベットに歩を仰向けで寝かせ全裸にすると体を重ねた。 その頃、コウは布団の上で眠っていた。 『……』 目を覚ましたコウはゆっくりと上半身を起こし手当てをされている横腹を見つめた。 『目が覚めたようね』 塗り薬と包帯を持って茜は側に座った。 『寝てる場合じゃないんだ歩を助けに行かないと』 立ち上がったコウは傷口が開き倒れた。 『まだ寝てなきゃ駄目よ、完全に治ってないんだから』 茜はコウの体を支えながら仰向けに寝かせると包帯を外し始めた。 『茜、助けに行かせてくれ』 『駄目よ、今は安静にしてないと』 茜は傷口に塗り薬を塗り包帯を巻き始めた。 傷口が痛みコウが顔をしかめると茜が『痛むんでしょ、今は安静にしてなさい』と言って部屋を出て行った。 『……』 塗り薬が効き始めコウは眠りについた。 ー狐像がある部屋ー 茜は正座で座り水晶を見つめながら歩の姿を探し始めた。 それから暫くして水晶に光太の姿がうつった。 『彼は歩さんの友達…』 歩は立ち上がり部屋を出ると廊下を走る光太に声をかけ足を止めた。 『どうしたんですか』 『コンビニに行ったきり歩が帰ってこないんだ、歩を追って行ったコウって人も帰ってこないし、もしかしたらと思って来たんですが』 『こちらへ』 茜は光太を狐像がある部屋に連れていった。
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