俺、狙われてます

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そしてブラッディはココの部屋に行きココに言った。 『惚れてるならコウから奪ってくれば良い』 『俺には…』 『出来ないのか』 『……』 『お前が本気で歩を手に入れたいと思ってるなら俺が手伝ってやる』 『本当ですか』 ベットに座ってうつ向いていたココは顔をあげブラッディを見つめた。 『お前が本気なら俺はお前のために力を貸す』 『お願いします、ブラッディ様、私に力を』 ココはひざまつきブラッディに頭を下げた。 『わかった、お前に力を与えよう』 ブラッディは闇で出来た黒い数珠をココに差し出した。 ココは顔をあげ『私に?』と言ってココは黒い数珠を受け取った。 『その数珠は俺の気が入ってる…その数珠を身に付けていればお前の願いが叶う』 『ありがとうございます』 ココは黒い数珠を右手首にはめた。 その時、ココは黒い数珠に支配され『うああ…』と叫び倒れた。 『どうだ闇で作られた黒い数珠の力は』 『…素晴らしいです…』 立ち上がったココは数珠に支配され髪と瞳と服装と尻尾が紫色に変わっていた。 『ココ、その力があればコウから歩を奪い取るのも容易いぞ』 『ブラッディ様、こんな素晴らしい力を俺に授けてくれてありがとうございます』 『お前の愛するものを迎えに行ってやれ』『はい』 ココはブラッディの前から姿を消した。 ー狐神社ー 歩は狐像がある部屋で光太と再会していた。 『無事で良かった』 『何でむりやりでもお父さんを助けてくれなかったんだ』 涙を堪えながら歩はコウを睨んだ。 『…歩…』 『歩、お父さんってどういうことだよ』 光太は歩を見つめた。 『いないと思ってたお父さんと巡り会ったんだ…俺は助けようとしたんだけど…コウさんは助けてくれなかった』 『歩…』 光太は涙を流す歩を抱き寄せた。 『…光太、家に帰ろ…』 『あぁ…』 光太は歩を連れて部屋のドアに向かった。 『どこへ行くんだ』 『……』 足を止めた歩はコウに近づきコウに貰った銀の数珠を投げつけた。 『もう俺の前に現れるな』 歩はコウから離れ光太と共に部屋を出て行った。 『どうして彼のお父さんを助けなかったの』 茜が口を開いた。 『助けを拒んだんだ』 『それでも助けなきゃ』 『お前に言われなくてもわかってる』 コウは部屋から姿を消した。
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