俺、狙われてます

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その時、傷だらけのコウが茜と歩と光太がいる部屋に現れ倒れた。 『コウさん…』 歩はコウに近づき体に触れた。 数珠は歩の心を読みコウの傷を治し始めた。 『茜さん!』 歩は茜を見つめた。 『数珠が歩さんの心を読んで行動を起こしたのよ』 『数珠が俺の心を…』 『……』 目を覚ましたコウは体を起こし立ち上がった。 『コウさん』 歩も立ち上がりコウを見つめた。 『ココにやられて深い傷だったのに治ってる、どういうことだ…茜…お前、生きてたのか』 コウは茜を見つめた。 『私もコウも歩さんのお陰で助かったのよ』 『歩の…』 コウと茜は歩を見つめた。 コウは歩を抱き締めながら『ありがとう』と言った。 『俺は何も…数珠の力ですよ』 『願ってくれたから俺は助かった、ありがとう…歩…』 『……』 コウに抱き締められたまま優しく名前を呼ばれ歩の心臓はドキドキと高鳴った。 『歩さんの父親奪還の作戦を練るわよ』 『あぁ…すまない…』 コウは歩から離れた。 『……』 コウの顔が見れない歩は背を向けた。 『歩、具合が悪そうだから隣の部屋で休ませても良いかな』 『良いわよ』 茜が言った。 『行こう』 光太は歩の手を掴み狐像がある部屋を出ると隣の部屋に入っていった。 コウは心配そうにドアの方を見つめた。 『心配?』 『……』 『側にいてやりたいだろうけど、歩さんのことは光太さんに任せて…』 『わかってる、俺達は歩の父親奪還の作戦を練る』 『わかってるなら宜しい』 茜とコウは床に座り作戦会議を始めた。 ー隣の部屋ー 座ろうとしている歩に光太は問いかけた。 『本気で好きになったんじゃないのか』 『……』 光太の言葉に歩はドキッとした。 『歩』 光太は歩の腕を掴み顔を向かせると唇にキスをした。 歩は光太を押し離し『いきなり何をすんだよ』と頬を赤らめながら言った。 『幼い頃から歩のことが好きだった』 『急に何でそんなこと言うんだよ』 『あの人に惚れかけてるからだよ』 『惚れてなんか…』 『否定しも俺にはわかる』 『…1人で休みたいから1人にしてくれないか…』 『歩…』 歩に触れようと手を伸ばそうとするも歩に背を向けられ光太は手をおろした。 『わかった…』 光太は悲しい顔をしながら部屋を出て行った。
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