俺、狙われてます

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歩は壁に近づき体育座りで床に座ると壁にもたれ顔を埋めた。 ー闇の神社、ブラッディの寝室ー ベットで祐実はブラッディに何度も抱かれていた。 『祐実、涙を流すほど俺に抱かれるのは嫌か』 『……』 ブラッディの問いに答えず祐実は顔をそらした。 ブラッディは無言のまま体を起こし祐実から離れるとベットに座った。 その時、紫の髪、紫の瞳をした男が部屋に入ってきた。 『久しぶりだな兄貴』 『グレン、何しに来た』 『闇の力とココの死を感じたから来たんだ』 『ココが死んだ?』 体を起こした祐実はグレンと目があい裸姿を服で隠した。 グレンは背を向けたまま『着替えてください』と祐実に言った。 祐実は急いで服を着てグレンに声をかけた。 『着替えました』 『……』 グレンは振り返り祐実に目を向けた。 グレンと目と目があった祐実は頬を赤らめ目をそらした。 イラッとしたブラッディはベットから立ち上がり部屋を出て行った。 グレンはベットに近づきベットに座った。 『息子がいるそうだね』 『え…どうして息子のことを』 祐実はグレンに近づき隣に座った。 『コウから聞いたんだ』 『コウって歩の…』 『祐実さん』 『はい…』 祐実はグレンに顔を向けた。 『兄貴といて幸せですか?』 『どうしてそんなこと聞くんですか』 『兄貴にここへ連れてこられて、むりやり体の関係になったこともココから聞いて知っています』 『やっと会えた歩をブラッディは狙ってる、歩を守るためには俺は…ブラッディの側から離れられない…』 思いを口にした祐実は涙を流した。 グレンは祐実を抱き寄せ『兄貴を好きじゃないなら俺を好きになってください』と言った。 祐実はグレンから離れ『俺は男ですよ』と言ってグレンを見つめた。 祐実の涙を拭いながら『俺は女に興味はありません、俺はあなたに惚れてるんです』と言ってグレンは祐実に微笑んだ。 この時、祐実の心臓はドキドキと高鳴った。 『…俺はブラッディに弟がいたなんて知らなかったのに何故、あなたは俺の名前を知ってるんですか?』 『名前や息子さんのことはコウから聞きました、お顔は兄貴が祐実さんをここへ連れてきたとき見ました…一瞬で好きになりました』 『……』 グレンが頬に触れた瞬間、祐実のドキドキは激しく高鳴った。
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