俺、狙われてます

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中学生の頃、部活で疲れて家に帰った歩は制服のままベットに倒れ眠りについた。 そして歩は夢の中で銀色の髪、瞳、そして尻尾がはえた男に出会った。 『もしかして妖怪?』 『やっと見つけた俺の妻よ』 『妻…俺が?』 歩は歩み寄って来た男に顎を掴まれた。 『覚えておけ歩、お前が20歳になったとき迎えに来る必ずな』 『どうして俺…』 言いかけた歩は男に唇を奪われた。 そして男は姿を消し歩は目を覚まし体を起こした。 『何だよ、今の夢…』 唇に触れながら夢での口づけを思いだした歩は頬を赤らめた。 その後、歩は眠れず朝を迎えた。 『あの夢のせいで眠れなかったじゃないか』 歩は浴室に行きシャワーを浴び始めた。 それから数分後、浴室を出てきた歩はインターホンに築き上半身裸、下半身はバスタオルを巻き玄関に行った。 『はい…』 何度も鳴るインターホンに歩は返事をしドアを開いた。 『よ!』 『光太、朝早くに何だよ』 『何、言ってんだよ、5時から練習があるだろ…それに控え室の鍵を持ってるのお前だろ』 『そうだったな…今すぐ着替えてくるよ』 歩は玄関を離れ急いで制服に着替えた。 そして玄関に行き待っている光太に声をかけた歩は人の姿ではない妖怪を見た。 『光太、横…』 『横?…ふざけてないで行くぞ』 光太は襲おうとしている妖怪に振り向いた。 襲われると思った歩は『駄目だ、光太』と言って外に飛び出し光太を見た。 『今日のお前、変だぞ』 『……』 妖怪の姿はなく歩は安心した。 そして歩は光太に駆け寄り『行こう』と言って歩き始めた。 その姿を上空から人ではない妖怪と尖った耳に尻尾がはえた人の姿の妖怪が見ていた。 『あいつ俺が見えてた』 『コウと会って見えるようになったんだろ、それでどうだったんだ美味しそうな体をしていたか』 『あぁ、あいつの体から良い匂いがした、ココ、先に食って良いか』 『駄目だよ、俺が先に味見するんだから、お前は彼が通っている生徒達を味見しな』 『わかったよ』 妖怪とココはその場から姿を消した。 ーコウが住む神社ー 嫌な気配を感じたコウは部屋を出て空を見つめた。 『コウ、何か感じたのですか?』 奥から巫女が現れコウに近づいた。 コウは無言のまま巫女に顔を向けた。
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