俺、狙われてます

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振り返ったコウは『グレン!』と言って驚いた。 『お前に話があってきたんだ』 グレンはコウの側に近づいた。 『歩さんに会わせてほしいんだ』 『歩に?』 『お父さんのことで話があるんだ』 『隣の部屋にいると思う』 コウが口にしたその時、歩が入ってきた。 『歩!』 『お客さんが来てるなんて知らなくてすみません』 『待ってください』 グレンは部屋を出ようとする歩に声をかけ近づいた。 『何でしょうか?』 『祐実さんの息子さんで名前は歩さん』 『どうして俺の名前を』 『コウに聞いて…』 『俺に何かようですか』 『お父さんをブラッディから助けたいんでしょ』 『……』 歩はグレンを見た。 『紫の髪や瞳をしてるけどグレンは信用しても良い』 コウが口を開いた。 『本当に信用しても良いんですか』 『俺もブラッディから祐実さんを救いたいと思ってる』 グレンは真剣な顔で歩を見た。 『わかりました、あなたを信用します』 『ありがとう』 『グレン、ちょっと良いか』 コウはグレンを連れて部屋を出ると隣の部屋に行った。 『コウさんも素敵な顔をしてるけど、グレンさんも素敵な顔をしてるなぁ…』 歩が口にしたその時、ドアが開き茜と光太が入ってきた。 『あれ?歩さん1人?』 『さっき2人で出ていきましたよ』 『そう…』 茜は水晶の前に正座で座り闇の神社を調べ始めた。 気まずい歩と光太は立ったまま顔を合わせないようにうつ向いていた。 その頃、隣の部屋ではコウとグレンが話をしていた。 『本気で兄貴のブラッディと戦うつもりか』 『あぁ、狐の神社を取り戻すためだ…俺は闇に汚された神社と兄貴と祐実さんを救う』 『聞いても良いか』 『何だよ』 『…いや、何でもない…部屋に戻ろう』 コウとグレンがドアの方に向いたその時、グレンの配下の妖怪が現れた。 『グレン、ブラッディ様が神社に来てる早く戻ってくれ』 『わかった、すまないコウ』 グレンと配下の妖怪はその場から消えていった。 ー紫の狐神社ー ブラッディはまわりにいる妖怪達にグレンの行き先を聞いていた。 『お前達、本当に知らないのか』 『はい』 『お前達、グレンに信用されてないだな』 ブラッディは椅子に座った。 『……』 妖怪達はブラッディの言葉にムカついていた。
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