俺、狙われてます

22/86

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
2分後、グレンが戻りブラッディの前に現れた。 『待たせてすまない…お前達は下がれ』 妖怪達を部屋から出ていかせるとグレンはブラッディに近づいた。 ブラッディは椅子に座ったまま『配下に行き先を言わないでどこに行ってたんだ』と言ってグレンを見た。 『兄貴には関係ないだろ、それより何しに着たんだ』 『祐実に惚れてるのか』 『何だよ急に』 『お前と初めて会ったあの日から祐実はお前に惚れてる』 ブラッディは椅子から立ち上がった。 『本人に聞いたのか』 『聞かなくても様子を見ていればわかる、祐実はお前に惚れてる』 『……』 『祐実は俺のものだ、祐実に近づくな』 『闇に汚されて兄貴、変わったな』 『……』 ブラッディはその場から消えていった。 グレンは椅子に座り目を閉じた。 その頃、祐実は部屋の前の廊下で悲しげな顔で空を眺めていた。 『……』 『グレンのことでも考えているのか』 『ブラッディ…』 祐実は近づいてくるブラッディを見つめた。 ブラッディは祐実の手を掴み『来い』と言って部屋に入るとベッドの上に押し倒し体を重ねた。 『…嫌だ…』 祐実は顔をそらした。 ブラッディは祐実の顎を掴み向かせると『お前は俺のものだ』と言って唇を重ね激しく体を重ねた。 ー次の日、狐神社ー 門の前で歩は祐実のことを考えていた。 『お父さんと一緒に暮らせる日が来るのかな』 歩が口にしたその時、背後からコウに優しく抱き締められた。 『コウ?どうしたんだよ』 『もしお父さんが歩が住んでる家で一緒に住めないと言ったらどうする』 『どういう意味だよ』 『お父さんの気持ちはわからないけど、グレンは歩のお父さんに惚れてる』 『お父さんもグレンさんを好きだったら…側を離れたくないよな』 歩はコウの腕に触れた。 『2人が両思いだったら』 『応援しなくちゃな』 『一緒に住めなくてもか』 『悲しいけど、もしお父さんとグレンさんが両思いなら応援しなくちゃ…』 『…歩…』 震える歩の体をギュッと抱き締めた。 そんな2人の様子を隠れて見ていた光太は無言のままその場から離れた。 『……』 廊下を歩いていた光太は茜に声をかけられ部屋の中に入った。 『私が忘れさせてあげようか』 『え!』 驚く光太を茜は押し倒し唇を重ねた。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加