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暫くして唇が離れると頬を赤らめながら『何で俺にキスなんか』と光太が言った。
茜は光太から離れ座ったまま壁にもたれると『好きになったからキスをしたのよ』と言った。
光太は体を起こし立ち上がると茜を見つめた。
『…本気なのか…俺のこと好きって』
『本気よ、光太君のこと好きよ』
『……』
茜に本気と言われ光太の心臓はドキドキと高鳴った。
ー紫の狐神社ー
椅子に座ったまま眠っていたグレンはココの気を感じ目を覚ました。
『隠れてないで出てきたらどうだ』
『……』
傷だらけのココが現れた。
『生きてたなんて思わなかったよ』
『俺も死んだと思った…天狐様が俺を助けてくれたんだ』
『天狐様が』
グレンは椅子から立ち上がった。
その時、銀と紫の髪に左右の瞳の色が銀と紫の男が現れた。
『天狐様!』
グレンとココはひざまつき天狐に頭を下げた。
『2人とも顔を上げなさい』
『はい…』
グレンとココは顔を上げ立ち上がった。
『ココから聞きました、闇に汚れたブラッディが人間の男をむりやり妻にしその男の息子も狙ってると…グレン、本当なのか』
『はい本当です…』
『息子は誰が守っているんだ』
『コウと茜が守っています』
『会えるのか』
『はい会えますよ、俺が案内します』
『頼む』
『肩に掴まってください』
天狐を肩に掴ませるとグレンはその場から消えていった。
ー狐像がある部屋ー
茜とコウと歩と光太は座って父親奪還の作戦を練っていた。
その時、グレンと天狐が現れた。
『天狐様!』
驚いたコウと茜は立ち上がった。
『ココから話を聞いて驚きました』
『ココ…』
『ココは天狐様に助けられて今、俺のところにいる』
グレンが言った。
歩と光太は立ち上がりコウに問いかけた。
『コウさん、誰?』
『俺達を生み出した神様だ』
『神様…』
歩は天狐に目を向けた。
天狐は優しく微笑み歩に近づいた。
『……』
歩は天狐に頬を触れられドキッとなった。
『コウが惚れるのもわかるよ』
天狐は歩から離れ頬を赤らめているコウに近づいた。
『コウと2人で話がしたいから部屋を出てもらえるかな』
『わかりました』
茜とグレンは歩と光太を連れて部屋を出て行った。
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