俺、狙われてます

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『話って言うのは、ブラッディのことで』 『もちろん』 『天狐様…』 『彼に惚れてるのか』 『え?』 『もし本気で惚れてるなら…コウ、狐の力を捨て人間になりなさい』 天狐はコウを見た。 『天狐様、今は歩の父親を奪還することが先です…天狐様、力をお貸しください』 コウは天狐に頭を下げた。 『その為に天空からおりてきたんだ』 『ありがとうございます』 コウは顔をあげた。 その頃、祐実は部屋のベットでブラッディに体を奪われていた。 『ああ…嫌…』 『祐実…』 『……』 祐実はブラッディの激しい愛撫に気を失い眠りについた。 『お前は俺のものだ』 眠っている祐実の頬を撫でるとブラッディはベットから立ち上がり部屋を出て行った。 『妖怪達』 『お呼びでしょうか』 人ではない3匹の妖怪がブラッディの前に現れた。 『祐実を部屋から出ないように見張れ、それと体が欲しければ好きにしろ』 ブラッディはその場から消えた。 3匹の妖怪は部屋の中に入り眠っている祐実の側に近づいた。 『ブラッディ様の許可も得てるし良いよな』 3匹の妖怪は祐実の肌に触れ始めた。 目を覚ました祐実は妖怪達に叫び抵抗した。 『ブラッディ様に許しを得ているからおとなしくしろ』 3匹の妖怪達は抵抗する祐実の手を掴み体を重ねた。 その頃、ブラッディは紫の狐神社の前でじっと立って神社を見つめていた。 その時、部屋にいるココがブラッディの気を感じた。 『グレン、早く帰ってこいブラッディが…』 念を送ろうとしたココの前にブラッディが現れココはブラッディに殺された。 『ココ!』 ココの死を感じたグレンは慌ててコウと天狐がいる部屋に入った。 『どうしたんだ、グレン』 コウはグレンに近づいた。 『ココが死んだ、ブラッディに殺られたんだろ』 『すぐに戻ろ、コウは彼の側に』 『はい』 『行きましょう』 天狐はグレンと共に紫の狐神社に戻っていった。 『コウさん、何かあったんですか』 歩は落ち着かないコウに近づいた。 『天狐様が助けたココがブラッディに殺られて死んだって、グレンが』 『歩さんは私に任せて、あなたは行きなさい』 『頼む…』 『……』 歩は姿を消そうとしているコウの腕を掴み一緒に消えた。
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