俺、狙われてます

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『……』 歩はコウの腕の中で温もりを感じながら目を閉じた。 その頃、祐実達は歩のことを考えていた。 『変なこと考えなきゃいいけど』 『変なことって?』 『早く力を目覚めさせたくて、好きかどうかわからないコウさんと…』 祐実の言葉にブラッディが口を開いた。 『祐実が知らないだけでコウと君の息子は愛し合ってるよ』 『そうだといいけど』 『祐実…息子はコウに任せておけば良い…』 ブラッディは祐実の唇にキスをした。 『闇妖怪がいないか見てくるよ』 『気を付けて』 『あぁ、すぐ戻る』 茜に声をかけるとグレンは部屋を出ていった。 『俺達も出ないか』 『私の部屋に来る?』 茜は光太の耳元で囁き光太を見た。 光太は頬を赤らめながら茜を見た。 『照れちゃって可愛い』 茜は光太の腕を掴み部屋を出ると茜の部屋に行った。 激しい口づけをしていたブラッディと祐実は互いの唇を離しまわりを見た。 『誰もいない』 『気を使ってくれたんだな…ブラッディが俺にキスなんかするから…』 『暫くは誰も来ないな、祐実、続きをしよう』 ブラッディは祐実の体をゆっくり押し倒し巫女の服を脱がせ体を重ねた。 神社の門を出てグレンは人気のない夜道を歩いていた。 『祐実さんと兄貴のキスシーンを見てムカつくなんて…本気で惚れてたんだな…』 『忘れられないなら力を貸すぞ』 『誰だ!』 足を止めたグレンはまわりを見渡した。 そして人間の姿をした闇妖怪がグレンの前に現れた。 『……』 グレンは銀の剣を掴んだ。 闇妖怪は一瞬でグレンの目の前に立ち剣を掴んでいる手首を掴んだ。 グレンは驚きで言葉を失った。 『……』 『俺の力を受ければ祐実をものに出来るぞ』 『兄貴もそうやって操り力を手に入れたのか』 『その通り』 『今度は俺を操り祐実さんを狙うつもりか』 『神になったそうだな…』 『神になった祐実さんを手に入れて更に力をつけるきか』 『その通り、だからお前の協力が必要なんだ』 『ふざけるな』 グレンは闇妖怪の手を振り払い剣を向けた。 闇妖怪はグレンから少し離れ闇の力で出来た黒い指輪をグレンの前に投げた。 『……』 グレンは剣を構えたまま指輪をちらっと見ると闇妖怪を見た。 闇妖怪の姿はなくグレンは剣をしまった。
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