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光太はぶつぶつ言いながら夜道を歩いた。
そこへグレンが現れ光太は足を止めた。
『……』
光太は逃げようとグレンに背を向け歩いた。
『待て』
グレンは光太の手を掴み振り向かせた。
その時、光太と目が合いグレンはドキッとした。
『……』
『キスのこと怒ってるなら謝ります、すみま…』
言いかけた光太はグレンに口づけをされた。
その後、唇が離れグレンは光太に告白をした。
『好きだ』
『え!』
初めて男に告白をされた光太は驚きその場から逃げ出した。
『おい、待ってくれ』
グレンは逃げる光太を追いかけた。
光太は息を切らしながら必死に逃げた。
『はぁ…はぁ…』
『待てと言ってるだろ』
『あ!…』
グレンに腕を掴まれ引き寄せられた光太はグレンに覆い被さり倒れた。
『大丈夫か…』
『……』
顔をあげグレンと目があった光太は頬を赤らめながらグレンから離れ立ち上がった。
『……』
グレンも立ち上がり光太の後ろ姿を見つめた。
光太は見られている視線を感じながら『俺を好きって言ったこと本気ですか…あなたは歩のお父さんが好きなんじゃあ…』とグレンに言った。
『なぜ君に好きだと言ったのかわからない…あの時からなんだ君が気になったのは』
『あの時?』
光太は振り返りグレンを見た。
『祐実さんを手に入れるために闇に心を乗っ取らせるなんて悲しいって言った、そして君は告白をして断れたら次の恋をすれば良いじゃないかと言ってキスをした…その時、俺は祐実さんより君のことが気になり始めたんだ』
『…俺…』
『そういば君には茜がいたね、ごめん忘れてくれ』
『…待って…』
去ろうとするグレンの手を光太は掴んだ。
『俺、1人暮らししてるんだ家に来ないか…話しは俺の家で』
光太はグレンに微笑んだ。
『良いのか』
『うん、行こう』
光太はグレンの手を掴んだまま走った。
その時、闇妖怪が現れ光太とグレンは足を止めた。
『グレン、お前に期待をしていたのは間違いだったようだ、その男と共に死ね』
闇妖怪は槍の蔓を放った。
『危ない!』
グレンは光太を庇い背中に槍の蔓を受けるとそのまま倒れた。
『……』
闇妖怪は姿を消した。
『グレンさん!』
『無事で良かった…』
グレンは光太に覆い被さったまま目を閉じた。
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