俺、狙われてます

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光太はグレンの体を支えながら歩き始めた。 『ブラッディさん達が助けてくれるから、死ぬなよ…』 光太は返事をしないグレンを涙を流しながら運んだ。 それから暫くして神社の門の中に入った光太は叫んだ。 『誰か来てくれ』 『グレン!』 ブラッディは光太に駆け寄った。 『返事をしないんだ、頼む助けてくれ』 『部屋に運ぼう、コウ、手伝ってくれ』 ブラッディとコウはグレンを狐像がある部屋に運んだ。 『俺を庇ったせいで』 『光太…』 『歩、グレンさん助かるよな』 『光太』 自分を攻め涙を流す光太を歩は抱き締めた。 その頃、ブラッディとコウはグレンをうつ伏せでゆっくり床に寝かせた。 ブラッディはグレンの背中に刺さった槍の蔓を抜き『毒が塗られてる、茜を呼んできてくれ』とコウに言った。 『わかった』 コウは部屋を出ていった。 『コウさん…グレンさんに何かあったのかな』 光太は歩から離れ狐像がある部屋に入っていった。 『光太君!』 ブラッディは立ち上がり近づく光太を止めた。 『グレンさんに何かあったんですか』 『治療が終わるまで別の部屋で待っててください』 『俺のせいで…』 光太はブラッディにしがみつきながら涙を流した。 そこへコウと茜と祐実と歩が現れた。 『歩さん、コウ、彼を頼む』 『光太、行こう』 歩とコウは光太を部屋から連れ出し隣の部屋に行った。 『祐実』 『はい』 『今の君なら治療の手伝いができるはずだ』 『わかりました』 『俺はどうして襲われたのか光太君に話を聞いてくる、治療が終わったら知らせてくれ』 ブラッディは部屋を出て隣の部屋に行った。 『始めましょうか』 『はい』 祐実と茜はグレンに近づき正座で座った。 『両手を傷口に向け力を込めてください、祐実さんの銀の力が傷口を治していくはずです』 『わかりました』 祐実と茜はグレンの背中の傷口に両手を向けながら力を込めた。 その時、祐実の両手から銀の光が現れグレンの背中の傷口を治療し始めた。 ー狐像がある部屋の隣の部屋ー 歩は光太を体育座りで座らせ、光太は壁にもたれ顔を伏せた。 『光太…』 『俺のせいだ…』 光太は何度も自分を攻めた。 歩は悲しげな顔で光太の肩をさすった。 『どうして君とグレンが襲われたのか話してくれないか』 ブラッディは光太に近づいた。
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