俺、狙われてます

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『祐実…わかったよ…事件が起こらない限り2人には手を出さないよ』 ブラッディは祐実の肩に触れ顔を上げさせた。 『ありがとう』 祐実はブラッディに微笑んだ。 ブラッディは祐実の微笑みに頬を赤らめ背を向けた。 『私は納得いかない』 茜は部屋を出ていった。 『茜さん…』 祐実は茜のあとを追いかけていった。 『お父さん』 『歩、茜のことは祐実さんに任せておけ』 コウは歩の側に行き肩に触れた。 ブラッディは振り返り『コウ、俺達は闇妖怪の行方を調べるぞ』と言って部屋を出ていった。 『歩、お前はこの部屋にいろ、いいな』 『わかった』 歩は壁に近づき体育座りで座ると壁にもたれた。 『……』 コウは部屋を出ていった。 『光太…』 歩は顔を埋めた。 ー光太の家ー 『光太君』 グレンは光太を抱き締めた。 『…グレンさん…』 『俺のせいで茜と別れることになってすまない』 『謝らないでください』 『光太君』 グレンは光太の顔を見つめた。 『俺は茜じゃなくてグレンさんを選んだ…好きだから…』 光太はグレンの唇に唇を重ねた。 そして唇を離し光太はグレンを見つめた。 『グレンさん、俺には歩や祐実さんみたいに力がないけどグレンさんの側にいてもいいですか』 『いいに決まってるだろ、俺にはお前しかいない』 グレンは光太を抱き締めた。 その瞬間、闇の指輪が黒から銀の指輪に変わった。 グレンは指輪に築き光太から離れると指輪を見つめた。 『闇で出来た指輪が銀の指輪に変わってる』 『闇にやられてもグレンさんは正気だから指輪も変わったんじゃないかな』 『……』 グレンは銀の指輪をじっと見つめた。 『何か食べ物でも買いに行ってこようかなと思ってるけど、何か欲しいものある?』 『俺も行こうか』 『すぐ戻るから大丈夫、それに俺は歩にみたいに力がないから狙われないし』 笑顔で光太は出掛けていった。 グレンはベットに近づき座ると指輪を外し見つめた。 『光太の言う通り完全に闇に落ちてないから色が変わったのか』 銀の指輪を見つめながら言った。 その時、銀色の狐が現れた。 驚いたグレンはベットから立ち上がった。 『今までの出来事すべて天狐を通じて見ていた』 宙に浮いていた銀色の狐は床におりた。
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