俺、狙われてます

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『祐実さんや歩だって銀の力、金の力に目覚めたのに、どうして光太みたいに髪が長くないんだ』 コウが口を開いた。 『選ばれたからだろ』 『選ばれた?』 『銀狐の神が光太君を選んだ…』 ブラッディはグレンを見た。 『なぜ、光太を…』 『闇に落ちたグレンを助けたいという彼の心が銀狐の神に届いた』 ブラッディはグレンの肩に触れた。 『……』 グレンはブラッディを見た。 『グレン、光太君と新しい生活をしろ』 『どういうことだよ』 『闇妖怪が近づかない場所で暮らせと言ってるんだ』 『闇妖怪…』 『今の光太君は闇妖怪が完全に人間になるための力になる…だから彼を守るために…グレン…』 『わかった』 グレンは頷きブラッディは肩から手を離した。 黙っていた茜が口を開いた。 『光太の力があれば闇妖怪を倒せるんじゃないの』 『倒せるぞ』 銀色の狐が現れた。 『銀狐の神』 『グレン、いいのか』 『何がですか』 グレンは銀狐を見た。 『闇妖怪の気は強い、そんな闇妖怪に光太が勝てなかったら死ぬぞ』 『……』 グレンは悲しげな顔でうつ向いた。 『金狐の神に選ばれし者が現れれば、闇妖怪を倒せる』 天狐がグレンの側に現れた。 『天狐、金狐の居場所は見つかったのか』 銀狐の神が言った。 『見つけましたよ、今、金狐の神は神社の部屋にいますよ』 『そうか…コウ、歩を連れてこい』 『あ、はい…』 コウは部屋を出て行き隣の部屋に行った。 『歩、ちょっといいか』 『はい…光太、ちょっと行ってくる』 歩はコウについていき部屋を出た。 光太は鏡の前に立ち変わった姿を見つめた。 『長い髪を結ぶものないかな…茜に聞いてみるか』 光太は部屋を出て隣の部屋のドアの前で足を止めた。 銀狐の神は歩に近づいた。 『君に金狐の神に会ってもらいたい、コウと共に私と行こう』 『え!』 歩はコウを見た。 『俺もですか』 『そうだ、返事は』 『行きます』 『君は?』 銀狐の神は歩を見た。 『コウが行くなら俺も行きます』 歩が返事をするとドアが開き光太が立っていた。 『歩…』 『光太…ちょっとすみません』 歩は光太に近づき手を掴むと隣の部屋に行った。 『光太、すぐに戻るから』 『絶対だぞ』 『あぁ』 歩は光太を抱き締めた。
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