俺、狙われてます

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そして歩とコウは銀狐の神と共に金狐の神がいる神社に行った。 『グレンさん、光太君の側にいてあげてください』 『はい』 祐実の言葉に頷くとグレンは部屋を出て隣の部屋に行った。 『光太』 『歩は行ったのか』 振り返った光太はグレンを見た。 『たった今、行ったよ』 グレンは光太に近づいた。 『いつ頃、戻ってくるのかな』 『歩さんが金狐の神に認めてもらい力を授かれば、すぐに戻ってくるさ』 『そっか…』 『心配か』 『少しね』 『……』 グレンは光太を優しく抱き締めた。 『グレン?』 『歩さんなら大丈夫だ、金狐の神から力を授かって戻ってくるよ』 『そうだな』 光太は振り向き口づけを交わした。 その頃、歩とコウは銀狐の神の案内で金狐の神がいる神社の門の前に立っていた。 『ここから先は2人で行きなさい』 『2人で!』 歩とコウは驚いた。 『心配しなくても金狐の神には話してある…頑張れよ』 銀狐の神はその場から姿を消していった。 『じっとしてても仕方ない歩、行くぞ』 『あぁ』 歩とコウは手を繋ぎ門を潜ると部屋のドアを開き背を向けて座っている金色の狐を見つめた。 そして歩とコウは互いの手を離し声をかけた。 『あの…』 『お前の下の名はなんという』金狐の神は振り返り歩を見た。 『歩です』 『……』 金狐の神は宙に浮いたまま歩に近づき頬に触れた。 歩は驚き言葉を失った。 『……』 『コウが歩に惚れるのもわかるな…君は癒しの力の持ち主らしい』 金狐の神は歩の頬に触れながら言った。 『癒しの力…』 『良かろう、君に俺の力を授けよう』 金狐の神は金の玉のブレスレットを歩の手のひらの上に置き宙に浮いたまま歩から離れた。 『コウ』 『はい』 『闇妖怪を倒すには3人が力を合わせなければ倒せない、わかるな』 『はい…』 コウは真剣な顔で頷いた。 『光太は目覚めたらしいが、祐実は目覚めてないみたいだな…コウ、この金の指輪を祐実に渡してくれ』 『わかりました』 コウは金の指輪を受け取った。 『歩、ブレスレットは左手首にはめなさい』 『わかりました』 金の玉のブレスレットを左手首にはめると歩の髪が金色に変わった。 長い髪にならない歩の髪を見てコウが金狐の神に問いかけた。
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