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『光太は銀色の長い髪だったのに、なぜ歩の髪は長くならないんですか』
『闇の心をもったグレンを愛し交わったからだ…それにしても彼は凄いな、今だ闇に乗っ取られているグレンを正気に保っている』
『……』
コウは黙り込んだ。
『コウ、祐実に左手の薬指にはめろと言うんだぞ』
『はい』
コウは返事をした。
『銀狐の神に連絡をした、帰りなさい』
『ありがとうございました』
歩とコウは金狐の神に頭を下げた。
『闇妖怪との戦い頑張れよ』
『はい』
顔をあげた歩とコウは部屋を出て行き門の前で待っている銀狐の神に駆け寄った。
『無事に力が目覚めたようだな』
『はい』
『コウ、元気がないな』
『金狐の神が祐実さんにこれを渡せって』
コウは金の指輪を銀狐の神に見せた。
『金の指輪じゃないか、これを祐実に渡せって』
『はい…左手の薬指にはめろって』
『俺から渡しておく』
銀狐の神が手を差し出した。
『お願いします』
コウは金の指輪を銀狐の神に渡した。
『戻ろうか』
『はい』
歩とコウは銀狐の神の肩に触れた。
その後、銀狐の神は集中しその場から消えた。
ー狐像がある部屋ー
落ち着かない光太は部屋の中をうろうろした。
『光太、少し落ち着け』
『皆は心配じゃないのか』
光太はグレンと祐実の顔を交互に見た。
『歩ならきっと大丈夫、力を授かって戻ってくるよ』
祐実は微笑んだ。
『祐実さんの言う通りだ、光太』
『歩君達を信じなさい』
グレンとブラッディの言葉に光太は動きを止め頷いた。
その時、銀狐の神が歩とコウを連れて戻ってきた。
『歩!』
『ただいま皆』
『金狐の神に認めてもらったんだな』
『あぁ…光太、ちょっといいか』
歩は光太を皆から離れた場所に連れていき小声で話をした。
『コウがな金狐の神に何で光太みたいに長い髪にならないんだって聞いたんだ、そしたら金狐の神が言ったんだ、光太は闇に落ちたグレンを愛し交わったからだって』
『…歩は闇に落ちていない者を愛したから髪は短いままで色だけが変わったのか』
『そういうことだろうな』
小声で話をしている歩と光太にコウとグレンは近づいた。
『何をこそこそしてんだ』
『何でもない…俺、疲れたから隣の部屋で休むね』
歩は光太を連れて部屋を出ていった。
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