俺、狙われてます

49/86

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
『光太君、その姿は』 軍服の姿の光太に祐実は驚いた。 『グレンが挨拶してこいって言うから、挨拶に来ました』 『……』 祐実は光太の左手首にはめている黒の玉のブレスレットに目を向けた。 『今日は挨拶をしに来ただけだから、戦いは無しです』 『光太君、闇に乗っ取られてしまったんだね』 『グレンの側にいられるなら闇に乗っ取られても構わない』 『…歩が悲しむ…』 祐実は悲しげな顔で言った。 『祐実さん…歩にも挨拶をしないといけないから行きますね』 『光太君』 祐実は光太の腕を掴もうと手を伸ばしたその時、光太は姿を消した。 『……』 祐実は歩が心配になり急いで神社に戻った。 同じ頃、ブラッディもグレンと会い睨み合っていた。 『せっかく光太が正気に戻したのに…闇に落ちてしまったんだな…』 『俺1人じゃないさ』 『まさか!』 『今ごろ祐実さんや歩さんに会ってるかもな』 『お前…』 ブラッディはグレンの胸ぐらを掴んだ。 『何か言いたそうだな』 笑みを浮かべながらブラッディを見た。 『何で彼を闇に誘ったんだ』 『お前に言われたくないよ、兄貴』 『何だと』 『……』 グレンはブラッディの手を離れさせ服を整えると目付きを変え口を開いた。 『あんたは俺のこと言えないだろ…』 『グレン』 『今から俺達は敵だ…今度、会ったら容赦しない』 『グレン』 『コウにも伝えておけ』 グレンはその場から姿を消した。 そのあとすぐブラッディは急いで神社に戻った。 ー狐像がある部屋ー コウは歩と茜の前に立ち目の前の光太に目を向けた。 『光太、戻ってきてくれたんだな』 『あれは光太じゃない』 『え…コウ、何を言って…』 『歩さん、コウの言う通りあれは光太じゃない』 『茜さんまで…』 隣にいる茜に目を向けた歩は睨み付けながら光太を見ている姿に驚き光太を見た。 『普通じゃない人達はわかるんだね、俺が闇に落ちたって』 『光太、今、言ったこと冗談だよな』 歩はコウの前に立ち光太を見た。 『歩…』 コウは歩の腕を掴んだ。 『答えてくれ、光太…冗談だよな…』 『……』 光太は左手に力を込め剣を出現させ掴むとその剣で槍を歩達に放った。 『危ない!』 コウは歩に覆い被さりながら倒れた。 茜は2人を守ろうとお札を光太に放った。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加