俺、狙われてます

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光太はお札をかわし茜の前に行くと剣で茜の腹をさした。 『お札で俺を倒せると思ったのか』 『…光…太…』 茜は涙を流しながら光太を見つめた。 『……』 光太は剣を抜き茜は仰向けのまま倒れ目を閉じた。 『茜さん!』 『許さねぇ』 怒りを感じたコウは歩から離れ光太に向かっていった。 『よくも茜を』 光太に殴りかかったコウは光太に腕を掴まれ殴り倒された。 『やめろ!』 歩は光太に駆け寄り光太を突き飛ばすと光太は壁にあたりうつ伏せで倒れた。 『何て力だ…』 立ち上がった光太はふらつき倒れそうになるとグレンに受け止められた。 『グレン』 『大丈夫か』 『ごめん、挨拶だけだっていう約束だったのに』 『気にするな、帰るぞ』 グレンは光太の体を支えながらその場から消えていった。 歩は『大丈夫?』と言って立ち上がるコウの体を支えた。 『大丈夫だ、それより』 コウと歩は倒れている茜に目を向け駆け寄った。 『茜さん』 歩は両手を茜に向け力を込めた。 コウは歩の肩に触れながら『もう無理だ、茜は戻らない』と言った。 『…茜さん…』 歩はコウに抱きつき涙を流した。 『歩』 コウは歩の背中をさすりながら光太への怒りが増していた。 『茜!』 『茜さん!』急いで戻ってきたブラッディと祐実は血を流して倒れている茜の姿や歩が泣いてる姿に驚いた。 『歩!』 『…お父さん…』 歩はコウから離れ祐実に駆け寄り抱きついた。 『……』 祐実は歩の背中をさすった。 『光太が茜さんを…どうしてだよ…』 『歩…』 祐実は泣きながら話す歩の背中を優しくさすった。 『コウ、話がある』 ブラッディはコウと共に部屋を出ていった。 『話って光太のことだろ』 『道を歩いていたらグレンに会ったよ』 『それで』 『完全に闇に落ちていた』 『助けることは』 『無理だな』 『それじゃあ、光太も』 コウはブラッディを見た。 『助けることは出来ないだろうな』 『そんな…』 『コウ、歩が立ち直るまで支えてやれよ』 『わかってる』 コウは頷いた。 その時、部屋から祐実が出てきた。 『祐実、歩は?』 ブラッディが言った。 『泣きつかれて眠ってる、コウさん、歩を隣の部屋で寝かせてくれないかな』 『はい』 コウは歩に駆け寄り抱きかかえると隣の部屋に運んだ。
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