俺、狙われてます

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『茜を成仏させてやらねぇとな』 『そうだな』 『祐実、お前がやるんだ』 『え…俺が…無理だよ』 『大丈夫、お前なら出来るさ』 『……』 祐実は茜に近づき正座で座った。 ブラッディは部屋の中に入りドアを閉めた。 『……』 両手を合わせ目を閉じた祐実は茜が無事に成仏するように祈り始めた。 その時、金の指輪が光り茜の体を光らせた。 驚いたブラッディは『祐実!』と声をかけた。 目を開けた祐実は光っている茜の体に驚き立ち上がった。 『体が…』 祐実が驚きながら光っている茜を見ていると突然、茜が宙に浮き体を起こした。 『祐実さん、ありがとう』 祐実に微笑むと茜は光りに包まれながら消えていった。 ブラッディは祐実の側に近づき『茜は祐実の力で成仏していった、ありがとう』と言って祐実を見た。 祐実もブラッディに顔を向け優しく微笑んだ。 ー闇の神社、部屋ー 『茜を怪我させたと言ったな』 闇妖怪は光太を見た。 『だったら何』 『死んだよ』 『そう』 『祐実が成仏させたみたいだ』 闇妖怪は嬉しそうに言った。 『ずいぶん嬉しそうだな』 グレンが口を開いた。 『そりゃ嬉しいさ、祐実が力を発揮すればするほど手に入れたとき、俺は完全なる人間になれる』 闇妖怪は嬉しそうな顔でその場から消えた。 『嬉しそうにしてるのも今のうちだ』 『そうだな』 グレンに寄り添い見つめ合うと光太はグレンの口づけを受け入れた。 その後、光太とグレンは軍服を脱ぎ全裸になると再び口づけを交わした。 そして互いの唇が離れグレンは火照った顔の光太に『その顔、そそる』と言って光太を倒し体を重ねた。 『ああ…グレン…』 『光太…』 グレンは喘ぎ声をだし乱れる光太を更に激しく抱き2人で感じた。 その後、グレンは疲れて眠っている光太を起こさないように立ち上がり背を向けながら軍服に着替え始めた。 『……』 『グレン』 『……』 グレンは振り返り上半身を起こして見つめる光太を見た。 『もう起きたのか』 『……』 光太は全裸のまま立ち上がりグレンに抱きついた。 『どうした、まだ足りないのか』 『まだ足りないって言ったらどうする』 光太はグレンを見つめた。 『キスで我慢しろ』 グレンと光太は激しく口づけを交わした。
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