俺、狙われてます

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『落ち着け、祐実』 『落ち着けだって、落ち着けるわけないだろ背中に羽根がはえてんだぞ』 騒ぐ祐実に声が聞こえた。 『いい加減に落ち着け』 金狐の神と銀狐の神が現れた。 『……』 金狐と銀狐の神に怒られ祐実はおとなしくなった。 『歩、祐実は金狐と銀狐を見守る神になったんだ、背中の羽根が証拠だ』 『お父さんが神様』 歩は祐実の姿を見つめた。 『ちょっといいですか』 コウが口を開いた。 『何だ』 『グレンと光太…もしかして銀狐の力が失ったんじゃないのか』 『え…光太』 コウの言葉に歩は光太を見つめた。 『……』 光太は無言のまま頷いた。 『力がない俺と光太は光太の家でのんびり暮らすことにしたんだ』 グレンは光太を抱き寄せ微笑んだ。 『光太…』 『歩、俺達の分まで金狐の神と銀狐の神を守ってくれよ』 光太は手を差し出した。 『任せておけ』 歩は差し出された光太の手を握った。 その後、光太とグレンは歩の家を出て光太の家に行った。 『祐実』 2人の神は祐実に声をかけ振り向かせた。 『はい』 『茜の代わりに狐の神社をブラッディと共に守ってくれ』 『はい』 祐実が返事をすると2人の神は歩とコウに目を向けた。 『歩、コウ、お前達も普通の人間になりここで一緒に暮らしなさい』 『どうしてですか』 『今のブラッディと祐実なら安心して神社を任せられるからだ』 『……』 歩は悲しい顔をしながらうつ向いた。 祐実は歩に近づき優しく抱き締めた。 『お父さん…』 『歩、神社はお父さんに任せて、歩はコウとこの家で幸せに暮らしなさい』 『…時々、お父さんに会いに神社に行ってもいい?』 『いいに決まってるだろ』 『お父さん』 歩は祐実に抱きつき父親の温もりを感じた。 『金狐の神、頼むな』 『わかった』 『ブラッディ、祐実、神社に帰るぞ』 銀狐の神はブラッディと祐実を呼び寄せその場から消えていった。 金狐の神は歩とコウの力を奪い普通の人間に戻した。 『コウ、今までご苦労様、歩と幸せに暮らすんだぞ』 『はい』 『元気でな』 金狐の神は光りに包まれながら消えていった。 『コウ』 『何だ』 『ベットに行かないか』 『お前の方から誘うなんて初めてだな』 コウは歩を抱きかかえベットに運ぶと衣服を脱ぎ体を重ねた。
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