俺、狙われてます

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狐像がある神社の門の前でブラッディと祐実は傷ついた神社を魔法で修復している銀狐の神の姿を見つめた。 『後悔してないか』 『何だよ急に』 『せっかく息子の歩に会えたのに離ればなれで暮らすことになってしまった、後悔してないのかなと…』 『一生会えない訳じゃないんだ、後悔なんかしてないさ』 『祐実の言う通りだ』 金狐の神が戻ってきた。 祐実とブラッディは金狐の神を見た。 『ブラッディ、グレンに会いたくなったらいつでも会いに行っても構わないぞ』 『祐実もな』 修復を終えた銀狐の神は金狐の神に近づいた。 『ブラッディ、祐実』 『はい』 ブラッディと祐実は銀狐の神と金狐の神を見た。 『2人、力を合わせてこの神社を守ってくれ』 『はい』 『祐実、背中の羽根は念じれば消えるぞ』 『はい』 『……』 金狐の神は魔法で祐実の服を金と銀の巫女服に変えた。 祐実は驚き金狐の神を見た。 『思った通りだ祐実は巫女の服がよく似合う』 『そろそろ行くぞ』 『あぁ…じゃあな』 金狐の神と銀狐の神は光りに包まれながらそれぞれの神社に帰っていった。 『巫女の服だなんて、恥ずかしい』 祐実は頬を赤らめた。 『よく似合ってるじゃないか、俺は好きだぜ』 『ブラッディ…』 祐実とブラッディはいちゃつきながら部屋の中に入っていった。 ー廃墟ビルの中ー 軍服姿の男が宙に浮いた水晶を通して祐実の姿を見ていた。 『闇妖怪を倒すなんて…興味深いな』 男はじっと祐実の姿を見つめた。 『何を見てんだ』 出掛けていた男と女が戻り男に近づいた。 『男じゃない、ユウトは男が好きなの?』 女は水晶にうつる祐実の姿を見ているユウトに抱きついた。 『柚子、妬いてるのか』 ユウトは柚子の顎を掴み顔を見つめた。 『別に妬いてなんかないわよ』 柚子はユウトの手を退かせ背を向けた。 『柚子…』 ユウトは柚子を振り向かせ唇を重ねた。 『ラブラブなのはいいけど、弟の前でキスをするのはやめてほしいよ』 ユウトの弟、透は廃墟ビルから出ていった。 『ユウト…』 『柚子…』 ユウトは柚子をゆっくり倒し衣服を脱がせると体を重ねた。 喘ぎ声をだし乱れる柚子の顔を見たユウトは一瞬、柚子の顔が祐実の顔に変わったことに驚いた。
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