俺、狙われてます

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『今のは…』 ユウトは柚子から離れながら立ち上がると乱れた軍服を直した。 柚子は上半身を起こし『急にどうしたの?』と背を向けているユウトに言った。 『何でもない…ちょっと出掛けてくる』 ユウトは黒い羽根を広げ飛んでいった。 柚子は立ち上がり軍服に着替えると水晶に近づいた。 『……』 柚子は水晶に触れブラッディといちゃつく祐実の姿を見た。 『まさか好きになった訳じゃないよね…』 祐実の姿を見つめムカついてきた柚子は水晶を地面に落とし水晶を壊した。 ー狐像がある神社ー 『買い物の帰りに歩の家に寄って来てもいいかな』 『ゆっくりしておいで、金と銀の剣は俺が見張ってるから』 『何かあったら、知らせろよ』 祐実は左手首にはめている金と銀の玉のブレスレットをブラッディに見せた。 『わかってるよ、祐実も平和だからといって油断するなよ』 『わかってるよ…行ってきます』 祐実はブラッディの頬に口づけをした。 『巫女の服で行くのか』 『あ…着替えるの忘れてた』 祐実は巫女の服を脱ぎ衣服に着替えた。 『そういうところ好きだぜ』 ブラッディは祐実の唇にキスをした。 その後、互いの唇が離れブラッディと祐実は見つめ合った。 『歩の顔を見たら帰るから』 『行ってらっしゃい』 『行ってきます』 祐実は部屋を出て門をくぐると歩いていった。 『神社からの歩きは歩の家、わからないなぁ』 ぶつぶつ言いながら歩いている祐実の姿を空を飛びながらユウトは見つめた。 それから暫く歩き祐実は人気のない道で立ち止まった。 ユウトは築かれないように降り立ち祐実に近づきながら声をかけた。 『どうしました?、道に迷いましたか?』 『……』 祐実は振り返りユウトを見た。 『場所を言っていただければ近くまで案内しますよ』 『すみません、歩いて行った訳じゃないから…すみません、声をかけていただいたのに…大丈夫ですから』 ユウトに少し頭を下げると祐実は歩いて行った。 ユウトは祐実を追いかけ腕を掴み足を止めると振り向かせた。 『あの…』 『君と闇妖怪の戦いを水晶を通してみていた、それからなんだ君が気になってしようがない…』 ユウトは祐実を引き寄せ抱き止めると唇を重ねた。 祐実はユウトを突き放し『闇妖怪の仲間か』と言ってユウトを睨んだ。
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