俺、狙われてます

61/86

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
『祐実さんは俺達で探すから、ブラッディは神社に戻れ』 『俺も探す』 『ふざけたことを言うな、神社には金と銀の剣が有るんだぞ、狙われたらどうするんだ』 『心配で集中できないよ』 『心配なのはわかるが、祐実さんは俺達に任せてお前は神社に戻れ、いいな』 コウはブラッディの肩に触れた。 『わかった、何かあったら知らせてくれ』 『わかった』 『……』 ブラッディはその場から消えていった。 『光太とグレン達にも手伝ってもらおう』 『そうだな』 『俺は光太の家に行きながら探すよ』 『わかった、祐実さんが見つかったら携帯に連絡をする』 『了解』 歩とコウは祐実を探しに出掛けた。 『お父さん、どこに行ったんだ』 歩は歩きながらまわりを見渡し祐実の姿を探した。 2時間後、歩は人気のない道を歩き前方に落ちている金と銀の玉のブレスレットに築いた。 『あれは!』 歩はブレスレットに駆け寄りブレスレットを拾った。 『お父さんのブレスレット…お父さんに何かあったんじゃ…』 歩は携帯を開きコウに電話をかけた。 3回目のコールでコウが電話に出ると『場所を言うから今すぐ来て』と歩が言った。 『あぁ…わかった…すぐ行く』 『待ってる』 電話を切ると歩は金と銀の玉のブレスレットを見つめた。10分後、歩の待つ場所にコウが走って現れた。 『歩…』 『コウ、これ見て』 『祐実さんのブレスレットじゃないか』 『お父さんに何かあったのかもしれない』 『ブラッディに言った方がいいかもな』 コウと歩はブレスレットを持って神社に急いだ。 ー廃墟ビル、祐実がいる部屋ー 目を覚ました祐実はまわりを見渡し体を動かした。 『両手が動かない、縛られてるのか…ここは…』 祐実は天井を見つめた。 その時、ユウトと透が部屋に現れた。 祐実はユウトと透に目を向けた。 『お前ら何者だ、闇妖怪の仲間か…俺をどうするつもりだ』 『人間の姿をしてるが俺達は妖怪、あのでき損ないの妖怪と一緒にしないでくれ』 ユウトは祐実の頬に触れた。 『俺に触るな』 祐実は顔を背けユウトを睨んだ。 笑みを浮かべるとユウトは透に『柚子を呼び戻してきてくれないか』と言った。 『何で俺が』 『あとでやらせてやるから』 『本当だろうな』 『本当だ』 『わかった』 透は窓から羽根をはばたかせながら飛んでいった。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加