俺、狙われてます

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『抱き合ってるとこ悪いんだが、今いいか』 『ブラッディ!』 驚いたコウと歩は離れ衣服に急いで着替えた。 『急にどうしたんですか、お父さんに何かあったんですか?』 歩はベットに座りブラッディを見た。 『今から人に…妖怪に会いに行くんだ…俺がいない間、祐実のこと頼めないか』 『妖怪って…倒したはずじゃあ…』 『まさか蘇ったのか』 『コウ、祐実を誘拐したのは最強妖怪のユウトだ』 『……』 ブラッディの言葉に驚きコウは無言になった。 『コウ?…どうしたんだ…』 歩はコウを見た。 『歩、祐実のことを頼むな』 『まさかブラッディ、1人でユウトに会いに行くんじゃないだろうな』 コウは背を向けているブラッディを見た。 『コウ、祐実のこと頼む』 『ブラッディ、1人じゃ危険だ死ぬぞ』 『え…』 コウの言葉に歩は驚きベットから立ち上がった。 ブラッディは歩の顔を見つめながら『祐実には言わないでくれ心配するから…大丈夫…俺は祐実を残して死なないから』と心配そうな顔をしている歩に微笑みながら言った。 『約束ですよ、お父さんの元に生きて帰ってきてくださいよ』 『あぁ、約束する』 ブラッディはその場から消えていった。 『約束ですよ』 『歩』 コウは歩を抱き寄せた。 『コウ、ブラッディ、死なないよね』 『俺に力があったら、1人で行かせないのに』 『コウ…』 歩はコウに抱きついた。 その頃、祐実は目を覚まし立ち上がると金と銀の巫女の服に着替えた。 『ブラッディ、どこに行ったんだ隣の部屋か』 祐実は部屋を出て隣の部屋のドアを開けた。 『いない…何も言わないでどこに行ったんだ』 怒った口調で言うと祐実はドアを閉め隣の部屋に行った。 祐実は狐像の前に正座で座り『帰ってきたらお仕置きだ』と言って祐実は祈った。 20分後、歩とコウが神社の門を潜り部屋に入ってきた。 祈っていた祐実は祈りを止め正座を解くと振り返った。 『歩、コウ、どうしたんだい』 『お父さんに会いたくなったから来たんだ』 『嬉しいよ』 祐実は立ち上がり歩を抱き締めた。 その後、祐実は歩から離れ『飲み物を持ってくるから座ってて』と言って祐実は部屋を出て行った。 『コウ…』 『ブラッディが戻ってくるまで、俺達が祐実さんを守るんだ、いいな』 『うん…』 歩は悲しげな顔でうつ向いた。
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