俺、狙われてます

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『グレン達も部屋に来てくれ』 ブラッディは隣の部屋に行きドアを開け中に入った。 コウとグレンと光太も中に入りドアを閉めた。 『コウさん、歩は?』 『祐実さんを見てる』 光太の言葉にコウは答え床に座った。 その後、ブラッディとグレンと光太も床に座った。 『闇妖怪を倒して平和になったと思ったんだが、最強妖怪のユウトが祐実の力に目をつけ誘拐した…そして乱暴した…』 『……』 コウとグレンと光太は無言になった。 『兄貴、俺達の力を戻してくれないか』 グレンは真剣な顔でブラッディを見つめた。 『何を言ってんだ、せっかく幸せに暮らしているのに』 『兄貴と祐実さんの力になりたいんだ、頼むよ』 グレンは正座でブラッディに頭を下げた。 『俺も力を戻してくれ』 コウも正座でブラッディに頭を下げた。 『嬉しいけど、断る』 『何でだよ』 グレンとコウは顔をあげブラッディを見た。 『コウ、グレン、歩と光太を悲しませたいのか…最強妖怪達のことは俺と祐実に任せろ…わかったな』 ブラッディは立ち上がり部屋を出ると祐実のところに行った。 『グレン…』 光太は座っているグレンに近づき抱きついた。 『光太、力が欲しいよ』 『…そうだね…』 光太はグレンの背中に抱きついたまま答えた。 ブラッディは歩の隣に座り祐実を見つめながら頬に触れた。 『ごめんなさい、お父さんが倒れたのは俺のせいだ…俺がブラッディを助けに行こうって言ったからお父さん、1人で…』 歩は涙を流した。 『歩のせいじゃないから気にするな…隣の部屋に光太達が来てるから会ってきたら』 『光太が…目を覚ましたら知らせてください』 歩は急いで隣の部屋に行った。 ブラッディは祐実の手を優しく握り顔を見つめた。 5分後、目を覚ました祐実は手を握ったまま眠っているブラッディを見つめた。 『うう…祐実!』 目を覚ましたブラッディは祐実を見つめた。 『ずっと側にいてくれたのか』 祐実は上半身を起こした。 『具合はどうだ』 『もう大丈夫』 『良かった、目を覚まして』 ブラッディは祐実を抱き締めた。 祐実はブラッディの背中に両手をまわし抱き締めた。 その頃、コウとグレンは歩と光太に話した。 『歩、光太、力を取り戻してブラッディと祐実さんの力になりたいんだ…いいよな』 コウは真剣な顔で歩と光太に言った。
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