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『4人とも無事に力が戻ったから』
祐実は4人の顔を見た。
『ありがとう、お父さん』
歩の言葉に真剣な顔で祐実が言った。
『約束してくれ、俺やブラッディや相手を悲しませないと』
『当たり前です』
コウと歩とグレンと光太は同時に頷いた。
祐実は立ち上がり『ブラッディと話があるからここで待っててくれ』と言ってドアに向かって歩いたその時、ふらつき倒れた。
振り返った4人は驚き駆け寄った。
『お父さん!』
『祐実さん!』
『歩、布団を敷いてくれ』
『うん』
歩はたたんでいる布団を広げ、コウは祐実を抱きかかえて布団の上に寝かせた。
廊下で待っていたブラッディは騒ぎに築きドアを開き中に入った。
『祐実…何があったんだ』
ブラッディはグレンと光太を見た。
『4人いっきに力を戻したから体力が無くなって倒れた…兄貴…』
グレンは何も言わず祐実に近づいていくブラッディの後ろ姿を見つめた。
コウと歩は立ち上がり祐実の側から少し離れた。
『しばらくの間、2人きりにしてくれないか』
ブラッディは座り悲しげな顔で祐実を見つめた。
『あの…』
『歩、行くぞ』
コウは歩の腕を掴み部屋を出るとグレンと光太も部屋を出てドアを閉めた。
ブラッディは祐実の手を握り『4人いっきに力を戻せば倒れるに決まってるだろ、無茶しやがって』と言ってブラッディは涙を流した。
『心配かけてごめん』
『祐実、具合はどうだ』
『少しはいいかな』
『完全に体力が戻るまで、ゆっくり休め』
『うん…』
祐実は目を閉じ眠りについた。
その頃、廃墟ビルのユウトは透と柚子を呼び戻した。
『話があるって何だよ』
『狐像の神社の場所は突き止めてあるから、透と柚子、邪魔なブラッディを始末しといて欲しいんだ』
『始末するやつはもう1人いるんじゃないの』
黙っていた柚子が口を開いた。
『もう1人?』
『祐実よ、あいつも邪魔でしょ』
『祐実は始末しない、手に入れるのは剣と祐実だけだ』
『手に入れるのは剣だけで良いでしょ、何で祐実まで』
『柚子、不満なのか』
ユウトは目付きを変え柚子を見た。
『……』
悔しい顔の柚子にユウトが口を開いた。
『不満ならお前はここにいろ、透、隣の部屋で作戦会議だ』
ユウトは部屋を出て行った。
『柚子、気にするなよ』
透が柚子の肩に触れると柚子は透の手を払い除け出ていった。
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