俺、狙われてます

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『何で子供のことを祐実に聞いた』 ブラッディが現れた。 『祐実様と同じ匂いがする男を襲いましたがコウに邪魔をされました』 『もしかしたらその男が祐実の子供ではないかと』 『はい…』 『その男は妖怪が見えるのか』 『はい、見えていました』 『確かめる価値がありそうだな…ココ、その男をここへ連れてこい』 『かしこまりました』 ココはその場から姿を消した。 祐実は寝室の部屋の前の廊下で考え事をしていた。 『…歩…』 『こんなところで何をしている』 『ブラッディ…』 祐実は近づいてくるブラッディを見つめた。 ブラッディは祐実の顎を掴み『子供のことを考えていたんじゃないのか』と言った。 『……』 祐実はブラッディの手を離し寝室の部屋に入っていった。 ブラッディも部屋に入り祐実を背後から抱き締めた。 『今日はそんな気分じゃないんだ』 『まだ俺を恨んでいるのか、妻を殺した俺を、幼い子供とお前を引き離した俺を恨んでいるのか…祐実』 ブラッディは祐実を振り向かせ唇を重ねた。 『んん…』 激しい口づけに祐実は力が抜けブラッディの腕を掴んだ。 唇が離れると『疲れるのはまだ早いぞ』と言ってブラッディは祐実をゆっくり床に寝かせ体を重ねた。 ーコウの部屋ー 目を覚ました歩は全裸姿を見て頬を赤らめた。 『そうだ俺、コウさんと…』 『目が覚めたか』 平気な顔のコウは銀のワンピースを差し出した。 歩はワンピースを受け取り無言のまま着替え始めた。 『着替えたら友達に会いに行くと良い』 『光太、目を覚ましたんですか』 『あぁ…』 コウが答えると歩は部屋を出て行き廊下を歩いた。 そこへ光太が現れた。 『歩、無事で良かった』 『光太も…良かった…』 歩は光太に駆け寄り抱きつき泣いた。 その様子を離れたところでコウはムッとした顔で見つめていた。 築いた光太は『歩、彼は?』と言った。 歩は光太から離れ振り返った。 『妖怪のコウさんって、光太、コウさんが見えるのか』 『さっき話をした』 『話をしたんなら知らないふりをするなよ』 『悪かった…』 『仲良しだな、恋人同士みたいだ』 コウは歩に近づき抱き寄せた。 光太は驚きながら2人を見た。 『やめろって』 頬を赤らめながらコウから離れた歩は光太を連れてその場を離れていった。
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