俺、狙われてます

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『歩…光太と逃げろ』 コウは立ち上がり柚子に向かっていき戦った。 『コウ…』 『歩!』 光太は歩の腕を掴み神社の方に走った。 『邪魔なんだよ』 柚子は蔓でコウの体を傷つけ倒れさせた。 『柚子…歩に手を出すな…』 コウは傷ついた体で立ち上がり柚子の前に立った。 『ここから先は行かせない』 グレンも傷ついた体で柚子の前に立った。 『力が戻っても私には勝てないわよ』 『やめろ柚子』 『……』 蔓を放とうとした柚子は手から蔓を消し後ろに立っている透を見つめた。 『こんなところで何をしてるんだ』 『あんたに関係ないでしょ』 『話がある、ちょっと来い』 透は柚子の腕を掴み飛んでいった。 コウとグレンは気を失いうつ伏せで倒れた。 その頃、歩と光太は息を切らしながら神社にたどり着きブラッディと祐実に柚子に襲われたことを話した。 『お前達はここにいろ、祐実』 『はい』 ブラッディと祐実は金と銀の羽根を広げ飛んでいった。 『最強妖怪は何人いるんだ』 『3人だ、ユウト、透、柚子』 『ブラッディ、あそこ』 飛びながら話をしていた祐実とブラッディは倒れているコウとグレンを見つけ降り立った。 『柚子はいないようだな』 『コウ、グレン』 祐実はうつ伏せで倒れているコウとグレンの体を仰向けにし両手を向けると力を込め傷を治した。 暫くしてコウとグレンは目を覚まし上半身をゆっくりと起こした。 『祐実さん、どうしてここに』 『歩と光太君が知らせに来たんです、コウとグレンが柚子って人に襲われてるって』 『……』 コウとグレンは立ち上がった。 『兄貴』 グレンはブラッディに近づいた。 『柚子の狙いは祐実か』 『最初はそうだったけど、歩が祐実さんの子供と知ると歩を狙ったんだ』 『柚子は祐実への嫉妬で歩を狙ったんだろ』 『気を失う前、柚子を透が連れていった、俺とコウはそれで助かった』 『祐実には言いなよ、心配させたくないから』 『わかってる』 兄弟でこそこそ話している側に祐実は近づいた。 『何をこそこそ話してるんだ』 『それより祐実、歩と光太に知らせてやれ、コウとグレンは無事だと』 『そうだな』 祐実は羽根を広げ飛んでいった。 『柚子と透の気が残ってる、追えば会えるかもな…行けるか』 『俺は行ける』 『俺も』 ブラッディの言葉にグレンとコウはすぐ答えた。
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