俺、狙われてます

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『俺達のことわかってたのなら、なぜ襲わなかった』 『別に…柚子、行くぞ』 『待て!』 柚子を連れていこうとする透をブラッディは呼び止めた。 『まだ何か用があるのか』 『なぜ、祐実を狙うんだ』 『俺に聞くなよ、兄貴に聞け』 『あんたの愛する人に伝えてくれる…男の癖に私の恋人に色目を使わないでって…行こう』 柚子は透を連れて飛んでいった。 『祐実がユウトに色目を使うわけないだろ、何を言ってんだあの女は』 『兄貴、神社に帰らないか』 『あぁ』 ブラッディ達は羽根をはばたかせながら神社に帰っていった。 その頃、祐実と光太はキッチンで肉料理やサラダや焼きそばを話ながら作っていた。 『祐実さん、もうすぐ焼きそばが出来ますよ』 光太は出来た焼きそばをフライパンから皿に盛った。 『祐実さん、出来ましたよ』 『わかった』 『肉じゃが、どうです』 『もうすぐ出来るよ』 祐実は焼きそばを盛った皿とサラダを盛った皿を持ってキッチン部屋を出ると廊下を歩いた。 その時、ブラッディ達が帰ってきた。 『美味しそうだな』 『ブラッディ、ドアを開けてくれないか』 『あぁ』 ブラッディは部屋のドアを開け祐実は中に入った。 『テーブル出してくれないか』 『俺達が出します』 部屋に入ってきたコウとグレンと歩はテーブルを運び真ん中に置いた。 『ありがとう』 祐実は焼きそばを盛った皿とサラダを盛った皿をテーブルの上に置いた。 『グレン、光太が肉じゃがを見てるから手伝ってやってくれ』 『はい』 グレンは部屋を出てキッチン部屋に行った。 『光太、手伝いに来た』 『肉じゃがが入った鍋を運んでくれないか』 『わかった』 『グレン』 『何だ?』 鍋を掴んだままグレンは光太を見た。 『グレンが死ぬんじゃないかって心配したよ、生きて俺の前に現れてくれて嬉しいよ』 光太は目から涙を流した。 グレンは鍋から手を離し光太を抱き締めた。 『心配かけてごめん』 『もう無茶はしないでくれよ』 『あぁ、約束する…光太…』 グレンは光太の顎を掴み唇にキスをした。 その頃、祐実達は光太とグレンを待っていた。 『遅いなぁ、何してんだろ』 『俺、見てくるよ』 座っていた歩が立ち上がりドアに近づこうとしたその時、肉じゃがが入った鍋と人数分の皿を持って光太とグレンが現れた。
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