俺、狙われてます

8/86
前へ
/86ページ
次へ
『歩、どこに行くんだよ』 『ここを出るに決まってんだろ』 『コウさんに言わなくて良いのか』 光太の問いに答えないまま歩は光太を連れて神社の門を通り外に出た。 『どこに行くんだ』 『俺の家に行こう』 『あいつらが襲ってきたらどうするんだ』 『大丈夫、この数珠が俺達を守ってくれる』 歩と光太は走って歩の家に向かった。 水晶玉で妖怪達の気を調べていた茜は歩と光太が門から出ていった気を感じた。 茜は部屋を出て近づいてくるコウに伝えた。 『2人が門から出ていったわよ』 『何だと、行き先はわかるか』 『歩さんの家だと思う』 『わかった』 コウは茜の前から姿を消した。 妖怪が見える歩と光太は妖怪に築かれないように歩の家に向かった。 そして歩と光太は無事に家につき中に入った。 『もう学校には行けないな』 『そうだな』 『歩…』 『光太、お腹空かないか、何か買ってこようか』 『1人じゃ危ない、俺も』 『すぐ戻ってくるから』 歩は出掛けていった。 『歩…』 心配で落ち着かない光太は玄関に向かった。 その時、ドアが開きコウが現れた。 『あんたは!』 『お前1人か、歩はどこだ』 『食べ物を買いに行った』 『お前はここにいろ』 コウは光太の前から姿を消した。 その頃、歩はコンビニで買い物をしていた。 『光太は肉が好きだから…』 焼き肉弁当を取ろうと手を伸ばしたその時、コウに腕を掴まれた。 『コウさん』 『こんなところで何をしている』 『何ってお腹が空いたから弁当を買いに来たんだよ』 『まだわからないのかお前は妖怪に狙われてるんだぞ』 『大丈夫だよ、数珠が守ってくれるから』 歩は右手首にはめている数珠をコウに見せた。 『弱い妖怪には効くが強い妖怪には効かない…』 コウは人ではない妖怪の気を感じた。 歩は険しい顔をしているコウに『どうしたの?』と言った。 コウは手を離し歩の前に立つと『下がっていろ』と言って入り口のドアを見つめた。 『コウさん』 『来るぞ』 コウは銀の剣を構えた。 その時、ドアが壊され人ではない妖怪とココが現れた。 何も見えないお客達と店員はコンビニから逃げていった。 『コウは俺に任せろ、お前は彼をブラッディ様の元に連れていけ』 『わかった』 妖怪が天井に飛び移るとココは蔓を放ちコウの体に巻き付けた。 コウはもがきながら歩に『逃げろ』と叫んだ。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加