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『ユウト、祐実と体を重ねたことでお前の心は浄化されたんじゃないか…』
『……』
ユウトはブラッディを見た。
ブラッディは歩と光太にユウト達のことを話した。
『ユウトと透と柚子は君達と同じ普通の人間だった、レンに会って体を奪われ最強の妖怪になって彼らの人生は変わった…』
『……』
歩はユウトに近づきユウトの手に触れた。
ユウトは驚きながら歩を見つめた。
『お父さんの優しい気を感じる』
『え…』
『お父さんと交わることであなたの妖怪の心が浄化され人間の心を取り戻した』
『…君の言う通りかもな…』
ユウトは優しく微笑んだ。
『…兄貴…』
『君も浄化されてるな』
『俺も?』
透はブラッディを見た。
『祐実の側にいれば交わらなくても浄化されるみたいだな』
『……』
透は自分の両手を見つめた。
光太は透に近づき『自由になるために祐実さんを一緒に助けようぜ』と言って手を差し出した。
『自由になるため…普通の生活…』
透は光太を見つめ光太は頷いた。
そして透は差し出された光太の手を握った。
その光景を見ていたユウトはレンを裏切る決意をした。
『レンの森に行くのは、俺とブラッディだけで行く』
ユウトの言葉に透が口を開いた。
『俺も行く』
『駄目だ、透はここにいろ』『何でだよ』
『邪魔だからだ』
ユウトは言うことを聞かない透を怒鳴った。
『……』
黙り込んだ透はうつ向いた。
光太は透の肩に触れ『俺だって一緒に行きたいよ…透、俺達が行っても邪魔になるだけだ…だからここで3人の帰りを待とうよ…』と透に言った。
『わかった、ここで待つよ』
『透…』
ユウトは透に近づき抱き締めた。
『生きて戻ってこいよ』
『あぁ』
ユウトは透から離れブラッディに近づいた。
『行くか』
『あぁ』
『俺の肩に手を』
『わかった』
ブラッディはユウトの肩に手をおいた。
『行くぞ…』
ユウトは集中しその後、ユウトとブラッディはその場から姿を消した。
その頃、祐実は何時間もレンのあとを追い続けた。
『…はぁはぁ…息が…』
歩き続けた祐実は闇の森の空気にやられ仰向けで倒れた。
レンは祐実に近づき祐実を抱きかかえるとユウトとブラッディが現れた。
『ユウト、なぜブラッディがいるんだ』
レンは祐実を抱きかかえたままユウトに顔を向けた。
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