俺、狙われてます

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『祐実さんを助けるためにブラッディを連れてきたんだ』 『何だと、ユウト…俺を裏切るつもりか』 『そのつもりで来たんだ』 ユウトは小さな剣を構えた。 『木の妖怪、祐実を預かっててくれるか』 レンが話しかけると木は何本も蔓を出し祐実の体に巻き付けるとレンから離した。 『お前達の力じゃ、俺には勝てない』 レンは黒い剣を手に掴んだ。 『祐実と出会って俺の力は変わった』 ブラッディは金と銀の剣を手に掴んだ。 『それでも勝てないよ』 『勝てないかどうか試してみるか…ユウト、祐実を頼む』 ブラッディとレンは剣と剣をぶつけ戦いを始めた。 ユウトは祐実に駆け寄り剣で蔓を切り外そうとしたその時、2匹の妖怪が現れユウトの邪魔をした。 『ユウト、レン様を裏切るつもりか』 『あぁ…俺は普通の生活に戻る』 『一度、妖怪になったお前が普通の生活に戻れるわけないだろ』 『祐実さんなら俺達を救ってくれる』 ユウトは向かってくる2匹の妖怪を力を込めた剣で傷つきながらも妖怪を倒した。 『…うう…』 目を覚ました祐実はレンと戦っているブラッディの姿を見つめた。 『うあああ…』 レンの圧倒的の強さにブラッディはやられ手から剣を離し倒れた。 『ブラッディ!』 祐実は蔓を外そうともがきながら叫んだ。 『金と銀の剣はお前には使いこなせない』 『……』 ブラッディは体を起こし近づいてくるレンを睨んだ。 『祐実は俺が可愛がってやるから、お前は安心してあの世に行け』 『やめろ!』 『死ね!』 祐実の言葉と同時にレンはブラッディに剣を刺そうとしたその時、ブラッディを庇いユウトが背中から突き刺され倒れた。 『ユウト!』 ブラッディはユウトの体を支えながら仰向けに向け顔を見つめた。 『怪我はないか…』 『お前のお陰で俺は無事だ』 『…良かった…うう…』 ユウトは優しく微笑んだ。 『許せない…』 怒りを感じた祐実は力で蔓を外し地面に立つと右手を前に出し金と銀の剣を引き寄せ掴んだ。 『祐実…』 ブラッディはユウトを抱きかかえ少し離れた場所から祐実を見守った。 祐実の背中に金と銀の羽根がはえると金と銀の剣でレンに向かっていった。 レンは祐実の剣の攻撃を剣で交わしながら『それが闇妖怪が言ってた美しい神か』と言ってレンは祐実から少し離れた。
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