俺、狙われてます

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『お前だけは許さない』 剣を握りしめたその時、光が祐実を包んだ。 暫くして光から出てきた祐実の姿は変わっていた。 長い金と銀の髪は束ね、両目の瞳は右に金、左に銀、服は金と銀の長い服、背中の羽根は左右に金と銀に変わった。 『祐実…』 ブラッディは驚きながら祐実を見つめた。 『噂で聞いたことがある、金狐と銀狐に選ばれた者は最強の神になれると』 『柚子、ユウト、透の代わりに俺がお前を倒す』 祐実は両手で剣を握り力を込めた。 『さすが神様だ、森が癒されていく』 レンは黒の剣を投げ捨て両手に力を込めた。 祐実は剣を右手に持ちレンを見つめた。 レンは両手から何本の小さな矢を何度も放った。 祐実はバリアで小さな矢を防いだ。 そして祐実は心の中で木にレンの動きを止めろと命令をした。 命令を受けた木は長い蔓を放ちレンの両手首に巻き付いた。 『…木に命令したのか…』 レンは祐実を睨んだ。 祐実はバリアを解きレンに近づいた。 『最強と呼ばれていても、最強の神には勝てない…殺せ…』 『俺はあなたの闇を浄化したい』 『何だと…俺はお前をむりやり抱いたんだぞ…そんな俺を…』 『救いたい』 祐実は優しい笑顔でレンの頬に触れた。 『……』 『俺には感じるあなたは闇から解放されたいと願ってる…普通の人間になりたいと願ってる』 『俺が願ってるだと…ふざけたことを言わず早く俺を殺せ』 『解放してあげてください』 祐実が木に話しかけると木は蔓からレンを解放した。 『なぜ解放した、お前を襲うかもしれないのに』 『あなたは俺を襲わない』 祐実はレンを抱き締めた。 『…何を…離せ…』 『すぐに助けるから』 祐実は金と銀の剣をレンの背中に刺した。 レンは祐実を突き放しそのまま倒れた。 『ブラッディ、手を握ってて』 『あぁ…』 ユウトを地面に寝かせるとブラッディは祐実に駆け寄った。 『両手で手を握ってて、先にユウトを助けるから』 『わかった』 ブラッディは両手でレンの手を握り祐実はユウトに駆け寄った。 『今すぐ助けるからな』 祐実は両手をユウトに向け光で傷や心をなおし始めた。 暫くして苦しい顔をしていたユウトの顔が優しい顔に戻り目を覚ました。
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