俺、狙われてます

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コウとグレンはレンの存在に不満を感じ口を開いた。 『何でレンがここにいるんだ』 『祐実が闇から救ったんだ、レンも普通の人間になった…ユウト、透もだ』 『……』 レンはその場を去ろうと背を向け歩き出したその時、祐実が口を開いた。 『レン!』 『……』 背を向けたままレンは足を止めた。 『困ったことがあったら俺に言えよ』 『ありがとう』 レンは部屋を出ていった。 祐実はゆっくりと上半身を起こしユウトと透に顔を向けた。 『レンは普通の生活になれてないからユウトと透、力になってあげてくれ』 『はい…』 祐実に頭を下げるとユウトと透はレンを追いかけていった。 『お父さん』 『歩』 祐実は歩を抱き締めた。 『もう戦いは起きないよな』 『あぁ、戦いは起きない…平和になったんだ』 『これでお父さんもブラッディと普通の生活が出来るね』 歩の言葉に祐実は歩の体を起こし顔を見つめた。 『……』 『俺は普通の生活には戻れない』 『どうして?』 『俺は神様になったんだ』 『神様…』 歩はブラッディに顔を向けた。 『祐実はこの神社を守る最強の神様になったんだ、だから普通の生活には戻れない』 『…最強の神様…』 歩は悲しげな顔をしながらうつ向いた。 『歩、俺が神様になってもここに来てもいいんだぞ』 『本当?』 『あぁ、いつでも遊びに来い』 祐実は歩に優しく微笑んだ。 『寂しくなったら会いに来て良い?』 『良いに決まってるだろ』 『お父さん』 歩は嬉し涙を流しながら祐実に抱きついた。 『歩…』 祐実は歩の背中を優しく撫でた。 コウは歩の体を掴みながら『歩…祐実さんを休ませてあげないと』と言って祐実から歩を離れさせた。 その後、コウと歩とグレンと光太はそれぞれの家に帰っていった。 『祐実…』 ブラッディは祐実に寄り添い上半身を倒すと唇を重ねた。 『ブラッディ…』 火照った顔をしながら祐実はブラッディを見つめた。 『祐実と交わりたい』 『俺も交わりたい』 『愛してる、祐実』 ブラッディと祐実は体を重ねた。 『ブラッディ…』 祐実はブラッディの愛撫に感じながら乱れた。 『祐実、愛してる』 『俺も愛してる…あぁ…』 ブラッディの愛撫に乱れ喘ぎ声を出した祐実は気を失いブラッディの側で眠った。
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