俺、狙われてます

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『コウさん…』 『早く逃げろ』 『……』 歩が足を動かしたその時、歩の前に天井から妖怪が下りてきた。 『来るな…』 歩は一歩ずつ後ろにさがりながら近づいてくる妖怪に数珠を見せた。 『そんなもの俺には通じない』 妖怪は歩を突き飛ばした。 『うああ…』 歩は壁にあたり手から数珠が離れると数珠は床に落ち歩は倒れた。 『歩!』 コウは叫んだ。 『お前の愛する彼は俺達が頂いていく』 ココは蔓ごとコウを吹き飛ばし壁にあてると蔓を離した。 『……』 コウはふらつきながらココを睨んだ。 ココは蔓を使って銀の剣を掴んだ。 『お前は俺には勝てないよ』 ココは銀の剣をコウに向かって投げると銀の剣はコウの横腹に突き刺さった。 コウは銀の剣を抜きうつ伏せで倒れた。 『帰るぞ』 『あぁ…』 妖怪は歩を片手で抱きかかえココと共にその場から消えていった。 ー狐神社ー 水晶玉ですべてを見ていた茜は水晶玉の力でコウを部屋に運んだ。 『傷が深いわね』 茜は両手をコウの横腹の傷に向け治療を始めた。 その頃、光太は歩の家で歩とコウの帰りを待っていた。 ー闇の神社ー ココと歩を連れた妖怪はブラッディの寝室に現れベットで寝ているブラッディに声をかけた。 『お休みのところすみません』 『何だ』 『言われた通り連れてきました』 妖怪は歩を床に仰向けで寝せた。 『連れてきたか』 ブラッディは体を起こしベットからおりると歩に近づいた。 ブラッディの側で寝ていた祐実は体を起こし歩に目を向けた。 『歩……歩!…』 祐実はベットからおり歩に近づくと体を抱き起こした。 『お前達は下がれ』 ココと妖怪を寝室から出ていかせるとブラッディは歩を抱きかかえベットに運び仰向けで寝せた。 祐実は歩の頬に触れながら『大きくなったな歩…』と言った。 『あの時のガキか』 『歩は俺のこと覚えてないだろうな、歩がまだ赤ちゃんの時に俺は…』 『俺に誘拐された』 『……』 祐実はブラッディを見つめた。 『ガキが目を覚ましたら話してやれ』 『話す?…お前のお母さんを殺した男と体の関係だって話すのか』 祐実はブラッディを睨みながら言った。 『そうだ、体の関係だって話してやれ』 祐実の頬に口づけをするとブラッディは寝室から出ていった。
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