【Case1】 魂を2つ宿す者

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イタチの友人らしき女性が 「あんた、【京野舞依(キョウノ マイ)】でしょ。自分だけが語学に堪能(たんのう)かと思ったら残念ね。風早くんに言い返されてるんだもの。負けを理解したなら、この場から立ち去ったらどうなの?」 と京野舞依に向けて罵倒(ばとう)すると、彼女は悔しさを(にじ)ませながら去っていった。 彼女が去ったあと、周囲がアッと()く。特にイタチが興奮気味に目を輝かせている。 「アオ、お前ー!いつの間にそんな言葉話せるようになったんだよ!?さっきの何語だったわけ?」 「へ?なんのこと?」 「なんのことって、またまた♪聞いたこともないような言葉を京野が話しかけたらさ、お前が流暢(りゅうちょう)に返事してるから、俺らは全員 呆然(ぼうぜん)よ。アオが語学に長けてるとは、小学校の頃からの親友なのに知らなかったぜ?」 《え…普通に日本語かと思って返事しただけなんだけど》 それよりも、見た目が大分成長により変化していたが、先程話しかけてきた女性…京野舞依が予知夢で見たターゲットだと分かった。夢で見た視界の主、舞希の双子の妹なのであろう。
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