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紺碧の空が私を見つめている。そこに、虹色の橋が架かっているが、手を伸ばしても届きそうで届かない。むしろ虹色の橋は少しずつ遠ざかり、いつの間にか手の届かない場所に消えてしまった。
「冷た…」
一瞬氷水のような感触が全身を包むが、頭の痺れとともに、心地よい羽毛布団のような感触に包まれていく。
こんなにきれいな空なのに…
なぜ、私は沈んでいくんだろう
そして
なぜ、あの子は泣いているんだろう
私とそっくりな顔をして
「ごめん、ごめんね…舞希ちゃん」
舞希は自分とそっくりな声を聞きながら、充足した気持ちで微笑む。
そして、意識は母なる海へと溶けていった。
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