【Case1】 魂を2つ宿す者

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紺碧(こんぺき)の空が私を見つめている。そこに、虹色の橋が架かっているが、手を伸ばしても届きそうで届かない。むしろ虹色の橋は少しずつ遠ざかり、いつの間にか手の届かない場所に消えてしまった。 「冷た…」 一瞬氷水のような感触が全身を包むが、頭の(しび)れとともに、心地よい羽毛布団のような感触に包まれていく。 こんなにきれいな空なのに… なぜ、私は沈んでいくんだろう そして なぜ、あの子は泣いているんだろう 私とそっくりな顔をして 「ごめん、ごめんね…舞希(まき)ちゃん」 舞希は自分とそっくりな声を聞きながら、充足した気持ちで微笑む。 そして、意識は母なる海へと溶けていった。
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