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で………
一ノ瀬がドカっと橋のケーブルの上に腰掛け、ふてぶてしい態度で“話を聞こうじゃないか”と言ったのは、すでに夕刻から夜の帳も落ちかけた田舎の渓谷の橋の上であった。
東京都内にある女子高から、どこにあるか分からない田園風景広がる田舎へどうやって来たのかは、この際置いておこう。
え?そこが知りたいって?
仕方がない。そんな方のために、以下に俺と一ノ瀬の特異体質について軽く触れてみよう。
(興味がない人は、迷わず次のページへとすっ飛ばしてくれていい)
俺の体には【夢喰】という生命体が宿っているのは前述した通り。その夢喰がさらに“鳳凰(ホウオウ)”の力を宿しているのだが、この鳳凰の力を借りて近場であれば簡単に移動することができる。
鳳凰は瑞獣と呼ばれる珍しい生き物である。瑞獣とは、世の中が瑞気(ずいき)に満ちて平和な時代のみ姿を現す動物の長である。その中でも特に4つの霊獣、“鳳凰” “霊亀(レイキ)” “応龍(オウリュウ)”“麒麟(キリン)”は“四霊獣”と呼ばれている。
そして、ふてぶてしい態度の長身の少女…一ノ瀬には、麒麟の力を宿す生命体が宿っている。正確には…宿っていた…であるが。この詳細については、長くなってしまうため割愛させてもらう。
他にも応龍、霊亀については今回はやめておこう。
要は、俺は鳳凰の…一ノ瀬は麒麟の力を用いてこの場所に来たのである。
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