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《おそらくだが、予知夢中にもう1人の人物がいたので、もう1人の人物がターゲットなのだと思う。亡くなった舞希と記憶をシンクロさせた妹が見せたヴィジョンだったのだろう。名前が分からないので、その者と直接対峙しなければいけないな》
『ちっ。面倒くせえ夢主だな。じゃあ、それまでオレは食料でも漁ってるわ。じゃな、ショウ』
黒猫は耳の鈴を鳴らすと、どこかへ消えてしまった。ちょうどタイミングを同じくして、教室に俺の悪友3人が入ってくる。
「よう、蒼。さっきのホームルームでは、またまたやらかしてくれてたなっ♪」
ホームルーム中に突っ込んできたウサ…本名【宇佐美丹士(ウサミ タンジ)】。ウサとかウサたんとか呼ばれている。その名の通りうさぎのような女の子みたいな見た目とすばしっこさを持つ。そして、これまた名前に恥じない跳躍力で、まだ高校1年生だというのに、陸上部の棒高跳び日本記録保持者でもある。
「アオがまたやらかしたって?お前、また女子が廊下でお前にプレゼント渡そうと待ってたぜ。たまには受け取ってやれよ」
俺を唯一アオと呼ぶのは、隣のクラスの伊達男イタチ…本名【鎌元淳(カマモト アツシ)】。イタチというのは俺が苗字の鎌から、カマイタチ…イタチと命名した。いつの間にかイタチという名前が学校中に浸透し、本名ではなくあだ名で呼ばれている。彼は数学研究会の部長で、全国数学オリンピックで3年連続チャンピオンの座を維持している。眼鏡キャラには珍しく、かなりの遊び人としても名前を馳せている。
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