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あの空間で神様というじいさんと出会って数ヶ月。
俺はすっかり異世界での生活に慣れていた。
「いらっしゃい」
俺が住み込みで働かせてもらってる宿屋に客がやって来た。
ロビーにある机を拭く手を止めて、
荷物を預かるため急いで客の元へ向かう。
今回の客はちょっと金がありそうなおっさんだった。
チップとかくれねぇかな……と思いながら受け取った荷物を部屋まで運ぶ。
「この宿屋に“勇者”が泊まったって?」
客のおっさんがノシノシ歩きながら聞いて来た。
「らしいですね。
俺はその時はまだここで働いてなかったんで、
残念ながら会った事も、
見た事すら無いんですよ」
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