快楽の抱擁

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快楽の抱擁

教室の戸を開けると、そこには、 いつものようにポーズをとった、アキラがいた。 「アキラ、おはよう!」 「オウ!ショウ、おはよう!」 アキラは、いきなりオレの手を掴んだ。 「朝っぱらからかい?」 オレはいつものように聞いた。 「なに言ってんだ、ただのあいさつだろ?」 アキラはオレに、躊躇なく抱擁した。 (薔薇の香りか、最高だなアキラ) アキラが握るオレの手に、快感の苦痛が走る。 アキラの眼差しの方が、オレよりも熱く感じる。 (いつもより興奮してるんじゃーか、アキラ) アキラは、背は高く、セミロングの 自分の髪がお気に入りらしい。 顔は、ギリシャ彫刻を少し長くして、 滑らかな大理石をさらに磨き上げたような  顔立ちだ。 オレの方は… アキラに似合う、相手を想像してくれよ。 その方が、おもしれーだろ。 オレもアキラも、線が細い方なのかも知れない。 やはりスタイルは重要だ。 (アキラには嫌われたくないからな) またアキラが抱擁してきた。 「もう、いい加減にしとけよ、      そろそろ女子たちがくるぞ」 「かまわないだろ、見せ付けてやるさ」 (拒むと逆に攻めてくるのを知ってて          言っているんだぜ。)
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