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チュッ・・・
覚悟を決めたアタシを待っていたのは、柔らかい唇の感触。
大切な物を扱うように、優しく何度も、アタシの体に刻まれた烙印にキスをした。
涙が溢れる。
心が震える。
気付けば、誰にも話した事がない、過去の事を全部話していた。
両親にされた事。
愛情に飢えてきた事。
泣きながら全てを話した。
徹平は静かに聞いていた。
優しくアタシを抱きしめたまま、ずっと聞いてくれていた。
「頑張ったな」
そう言って、また力強くアタシを抱きしめた。
その夜、アタシ達は電気をつけたまま、朝まで抱き合った。
全てをさらけ出したアタシを受け入れてくれた徹平。
離したくない!
このまま時が止まればいいのに・・・・
本気でそう願ったこの夜が、これからのアタシを苦しめるなんて、想像もしなかった。
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