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メールも電話もアタシからしない。 二番目を選んだその日から、二人の暗黙の了解になった。 アタシと会わない時は、どんな顔で笑うんだろう。 どんな甘い言葉を投げるんだろう。 どんな仕草で彼女を抱くんだろう。 会えない日々がすこしづつ増えてくるにつれ、アタシの頭の中は、徹平の事で埋め尽くされるようになった。 デートをしていても、彼女から電話があると、戸惑う事なく嬉しそうに話し始める。 時には、その場で車から下ろされ、一人で始発を駅で待つ事もあった。 開いていく二人の距離。 縮まらない二人の温度。
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