4人が本棚に入れています
本棚に追加
相談できる人などいない。
友達なんかいるはずもない。
一度だけ、誰かの通報で、児童相談所の職員が訪問に来ただけで、それっきり。
変わらぬ日常。
両親の目を盗み、『助けて!』と書いて渡したSOSのメモは、どこかに捨てられたんだろうか。
それとも、面倒くさいと読んでももらえなかったんだろうか。
担任も見てみぬふり。
給食の時に箸が上手に使えず、泣きながら手づかみで食べた。
それ以降、あだ名は『イヌ』
寝る時も、布団で寝せてもらえず、毎日フローリングの床に直に寝ていた。
真冬の寒さが厳しい時だけ、使い古しのブランケットを一枚使う事を許可された。
暖房の効いた温かな寝室で、ふかふかのベッドに寝る両親と妹。
この家で、アタシだけがいらない存在だった。
最初のコメントを投稿しよう!