熱帯植物街

6/14
前へ
/14ページ
次へ
トロピカルプランツでは、いとちんがぼくを待っていた。 やがて、ほくらの前に、青白い発光体が現れ、次第に人の姿をとり始める。 「フローラ!」 「待った?」 「いや、ぼくもかっちゃんも、いま来たところだよ。驚いたなあ。同じ学校に転校してくるなんてさ」 フローラは、ふふっと笑った。 「だけど、私たちがトロピカルプランツで、同じパーティを組んでいることは、クラスのみんなには、黙っておいた方が良さそうよ。いま、トロピカルプランツに対する風当たりが強いでしょう?」 「テレビみたよ。教育評論家が、悪いのは、みんな、トロピカルプランツのせいだ、みたいな言い方してた」 ぼくは、さっきまでみていた特番の内容を、かいつまんで、いとちんとフローラに話した。 「ほらね。やっぱり大人には理解されないのよ」 フローラは言った。 「そんなことより、早くプレイを始めましょう」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加