熱帯植物街

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ぼくら三人は、熱帯樹林を進み始めた。 森は深い。 レベルが上がるにつれて、森はますます深くなってきたような気がする。 突然、ガサガサと音を立てて、熱帯樹林の茂みから、モンスターが現れた。 「ダイオウサソリよ!」 フローラが叫んだ。 巨大なダイオウサソリは、ハサミをガチガチ鳴らしながら、こちらに迫ってきた。 ぼくは、手にしたビームサーベルで、ダイオウサソリのハサミに斬りつけた。 ハサミの一振りで、ぼくはふきとばされた。 いとちんは、ダイオウサソリの尾を狙った。 いとちんの剣も、ダイオウサソリに、弾き返された。 「こいつ! なんの攻撃も効かない!」 いとちんが、悲鳴のような声をあげた。 「こいつ、ウィルスよ!」 フローラが叫んだ。 ダイオウサソリと見えたものは、いつものサイバーモンスターではなく、コンピュータウィルスだったらしい。 サイバネティクス社とは無関係な誰かが、トロピカルプランツにばらまいたのだ。 「タイヘンダー、タイヘンダー」 サッカーボールのような「見張り玉」が、二枚の羽をブンブンふるわせながら飛んできて、また離れていった。 「見張り玉」は、トロピカルプランツ内のウィルス監視ソフトだ。 コンピュータウィルスを感知し、状況をトロピカル?プランツのメインコンピュータに伝達する。 まもなくサイバネティクス社のウィルス駆除ソフトが発動するはずだった。ウィルス駆除ソフトが、どんな姿をしているのか、見てみたい気もしたが、それを待っている余裕はなかった。 「おい。ログアウトだ」 ぼくはいとちんに声をかけた。 「そうだね」 いとちんも、うなずいた。 「またね」 フローラも言った。
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