第1章

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半年に一辺くらいは、全く知らない人とジャムセッションがしたくなり、こうして高田馬場なんかに降り立ってイントロの重いドアを開けて、若くて上手くてかっこいいやつらの演奏に無理やり交じってみたりするんです。朝までやってると思い込んでいたら0時でお開きだそうで、雨の中、空腹をこらえ、路頭に迷っているところです。オンボロのギターケースが重い。 新潟のセッションと大きく違うところはおっさん、おばさんがほとんどいないと言う点です。新潟はおっさん、おっさん、おっさん、おばさん、おばさん、おっさん、お姉さん、おっさん、お兄さん、っていう感じですが、今日のイントロはイケメン、イケメン、普通、可愛い、可愛い、イケメン、イトパン、可愛い、超可愛い、イケメン、普通、みたいな感じです。どうです。炎上するかな。大丈夫かな。 女の子が本当に可愛い。新潟も可愛い人はいますが。 久しびりにフルアコを人前で弾いたんです。 Just Friends 自分のギターが弾けました。上手い人は果てしなく上手い。そんな事はとっくの昔にわかっている。大切な事は、僕がどうしたいのか、はっきり演奏で伝える事。彼がどうしたいのか理解する事。観客が何を望んでいるか、しっかり掴んで提供する事。 ジャズは、楽器をコントロールするのが上手いところを披露する音楽ではなかった。と、再確認した次第であります。 それにしても、なんかこのきったないギターケースとその中のフルアコがかわいそうになってきて、今、しんみりしています。毎朝の練習はナイロン弦のやつだしな。町に連れ出すのはハーモニカだしな。こないだの音食でもほとんど弾かなかったしな。おお、よしよし、寂しかったろう。 シリアルナンバーがF96017だもんな。ふ~苦労多いな。だもんな。今日は頑張った。さて、どこで寝ようか。 また明日。
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